会議

 

 

 当社には月に二回の定例会議があります

 だいたい月の初め頃に開催するのが「生産会議」。
前月の生産状況や稼働率、工程遅延についてだったり、当月の生産負荷状況や新規案件、あとは今後の業況の見通しなんかについてが主な議案です。

 そして月の半ばに開催するのが「品質会議」。
こちらは前月の不具合の発生状況や直近の増減傾向、工程ごとの不具合に対する対策内容の報告や、半期で行う品質活動計画の進捗状況と効果の確認などなど・・・

 予定は2時間くらいですが、議案を詰め込み過ぎているのか、毎度15分くらい延長してしまいます。
それでも「実のある会議」にするのは、なかなかに難しいものですね。。。
他の企業さんは、いったいどんな風にして会議をやっているんでしょうか・・・

 

 

 ストーリー

 

 ということで、今週開催されたのが「生産会議」です。
生産負荷が非常に高く、どの工程も計画通りにはなかなか進んでいないのが現状・・・
こういう局面こそ情報共有をしっかりした上で、少しでも現況を打開して、一歩でも半歩でも前進させる道筋を付けなければなりません。
 生産が安定している時は、比較的穏やかな雰囲気で進められる会議(そこら辺はやっぱり品質会議とは違います)。
少し前まではそれこそ冗談の一つでも言いながら、和やかムードでやっていた会議でしたが、私は(今日は少しピリッとした会議になるかな・・・)なんて思いながら挑みました。

 

 どちらの会議も、数日前には「開催案内」という形で議事次第が配られます。
主催は生産会議=生産管理課、品質会議=品質管理課です。
今回は生産会議ですので、生産管理課の方から社員サイトのフォーラム(出席者のみがログイン出来る掲示板)を通じて資料配布がありました。
 当然出席者は事前に議事の内容を知ることになりますので、それなりの準備(例えば実績の分析結果や対策の詳細、またその効果検証結果などを報告するための準備)をしてこなければなりません。

 会議の冒頭は、いつも通り前月の実績、蓄積されたデータの集計結果の報告です。
詳細な資料は食堂の大型モニターに映し出して共有します。
分かっていたことではありますが、やはり良い傾向にはありません。。。
まあ、だからこそこの会議の重要性が増すわけです。

 しかし次の各工程の報告の段になって、何やら雲行きが怪しくなってきます・・・
「現状は〇〇〇という状況です・・・」
「今月は〇〇〇していきます・・・」

 私は思わず「ちょっと待ってくれる?」と一旦話を止めてしまいました。
あんまりそれが良くない事だとは分かってはいたのですが、なんだかそのまま話を進めていくのはマズいと感じたんです。
「今後どうする・・・の前に、”何故そうなったのか”について聞きたいんだけど」
「・・・・・」
「・・・・・」

 良い状態の時も悪い状態の時も、それが「何故良くなったのか」「何故悪くなったのか」の掘り下げが無いと、「今後どうする」の有効性が担保されません。
『原因』に対するアプローチが絶対に必要だからです。
 もっと言えば、良くなることも悪くなることも、「ある時突然」「劇的に」変化することは少なく、寧ろ少しずつ段階的に変化していくことがほとんどです。
であるならば、その過程で「何をしたのか」「どういう結果になったのか」も『次』の話をする上では欠かせません。
会議と会議の間は一カ月ある訳です。
その間、悪化していく状況を漫然と”見ていただけ”なんてことは無いはずですよね。
「会議の為に準備してきた言葉」の報告に聞こえてしまったんです。
それよりも大事なのは、その原因や背景のはず・・・

 私が良く使う言い回しですが、やはり「ストーリー」が必要なんだと思います。
繋がりが無い、言い方は悪いかも知れませんが「その場凌ぎ」「場当たり的」な報告に感じました。

 誰もそれを声を大にして言いませんが、みんなが言いたいことは分かります。
「やり切れない仕事量なんだから、計画通りになんて行くわけないじゃん!!」
 私もずっと製造に携わってきたんですから、その気持ちは理解できます。
気持も折れかけてしまいますよね・・・
 でも営業や生産管理部門も最大限の調整やコントロールをしているんです。
ただ「メーカーの下請け」という業態である以上、こちらの都合だけで事が運ぶなんてことはありません。
 だからこそ、やれるだけのことは全部やり切らなければならないんですよ。

 「やり切れない量なんだから、結果だけを見て追求なんてするつもりはない」
そう私が言ったのは、紛れもなく本心です。
こういう状況だからこそ、「どう挑んだのか」が大事だと考えています。
 その会議に出席しているメンバーが
「どうせ出来るわけないじゃん」
なんてモチベーションで良いはずないんです。
だってそのメンバーは、リーダーや管理職の人たちなんですから・・・
 先頭に立つ人が下を向いていたら、その後ろを付いていくメンバーは、どこに向かって進んでいけばいいのか分からなくなってしまいます。

 

 

 入れるもの、出すもの

 

 工場長が変わってから初めての会議。
今期からは、私自身の仕事に於ける比重も、製造からより距離を取らざるを得なくなります。
だから、基本的にはあまり口を出さない様にしようとは考えていたんですけど。。。
つい「それってどういうこと!?」なんて口を挟んでしまいました。
また私の”悪い癖”が出てしまった感じ。
出席者のみんな、すみませんでした・・・

 変な空気になってしまったので、
「俺は黙ってるから、先に進めて・・・」
と言って、後は出来るだけ聞き役に徹していました。。。

 別に人を責めるとか、そんなつもりなんて無いんですけど、私はどうしても「理詰め」で考えたり話したりしてしまうんです。
そうすると相手はどうしても「詰められてる」と感じてしまうみたいなんですよね。
 しかも(伝わっていないな)と感じると、同じことでも良い回しを変えたり例え話をしてしまうので、話も長くなってしまいがち。
それでは逆に相手も受け入れ難くなってしまいますよね。。。

 「人は口から入れるもので体が出来、口から出す言葉で人格が出来る」
私自身、出来るだけ心掛けているつもりですが、まだまだ未熟な様です。
私ももっと”言葉”を大切にして、ちゃんとみんなにも想いや考えが伝わるように気を付けたいと思います。

 

 

 再来週には「品質会議」です。
次回こそ実のある会議にしたいと思います。
出来るだけ私は黙っていますので、みんなで忌憚ない話し合いを有意義に展開できる様、期待しています。
 そうそう、だから出席者のみんなはしっかり準備してきてくださいね!
お地蔵さんみたいに黙って座ってるだけじゃダメですよ!!