
早いもので、もう10月ですね。
9月末が本決算の当社にとっては、この10月は新しい期の始まりとなる節目の月です。
前期はおかげさまでとても忙しく、売り上げだけを見れば、この三十数年間で過去最高の売り上げ高となりました。
お客様、協力工場さんや仕入れ先などの取引先各社、そして何よりその厳しい要求に応えようと必死に頑張ってくれたスタッフのみんな、一年間ありがとうございました!
ただ仕事がたくさんあって忙しかった、売り上げも良かったからと言って、諸手を挙げて喜んでばかりもいられません・・・
実際には資材の価格暴騰や世界経済の不透明な見通しなど、先行きの不安要素は現実にあります。
そして当社の中でも、結果的に不達成となってしまった様々な目標や、日々の忙しさから「生産優先」に舵を切り過ぎて置き去りにしてきてしまったこと、「本来やるべきこと」「在るべき姿への様々な取り組み」など、残っている課題はたくさんあるんです。
そんな中で迎える新しい期。
少しだけ体制を変えて挑むことになりました。
心機一転、力強いスタートダッシュを切りたいと思います!
生産本部
これまで当社における最大単位のグループは「部」でした。
具体的に言うと「営業部」「製造部」「管理部」の3つの「部」があり、そこに「第一・第二製造課」や「生産管理課」などの「課」があって、さらにその中に最小単位のグループである「チーム」があるという編成。
今まではこの体制でそれなりに回っていたんです。
まあそれが”上手く”いっていたのかどうかは、人それぞれ感じるところがあるんでしょうけど。。。
ただ最近は、それがこの日々の忙しさからなのかも知れませんが、あまり上手くいっていないというか、寧ろ悪い部分が目立つ様に感じることが増えてきました。
一番感じていたのは、「部の間の壁」。
それぞれに与えられた役割や使命があり、各々の目的や目標を掲げて業務に当たる訳ですが、時に利害の衝突なんかもあったりするわけです。
まあそれが大きな諍いになったりしたことは(私の知る限りは)ありませんが、逆にそれを恐れて言うべきことも言えないという様な、変な遠慮みたいなものがあったり・・・
「そういうことなら”あっち”に言ってよ」
「それって”こっち”でやる事!?」
「”そっち”の問題だから”こっち”に言われてもね・・・」
そんな物言いをしている人も、少数ですが居たりしました。
人任せと言うか、他責思考と言うか。。。
私はそこに強い危機感を感じたわけです。
いわゆる「アメーバ経営」みたいに、それぞれのユニットの成果が全体の大きな成果に繋がるというのは理想形だとしても、そこには「芯」になる部分が必要ですよね。
たとえば「部」がそれぞれの論理で動いている。
でも時に部をまたがる様な問題も発生しますし、調整して妥結点を見出すことも必要だったりするわけです。
いや、みんなが非協力的だとか、そんなんじゃないですよ。
ただその「芯」が無いと感じたんです。
その「部」の問題で言えば、それは私の役割です。
言い換えると、その「部」の間の連携や調整が上手くいっていないのは、正に私自身の力不足なんですよね。
「チーム」を「課」がコントロールし、「課」を「部」がコントロールする。
では「部」は?
そこがどうもチグハグでバラバラな感じでした。
そこでこの新しい期より、「部」をコントロールする役割として「工場長」という職を置く事にしました。
もちろん今までも工場長という役職はありました。
ただこれまでの工場長は、「製造部」のトップという立ち位置。
つまり製造部長=工場長だったんです。
それをこれからは、各「部」をまとめる役割として、「工場長」という『役割の職位』を昇格させるイメージです。
そしてその工場長が、正にその名の通り「工場全体を管理する長」として、業務を強力に推進していくことになります。
「管理部」と「製造部」の上に「生産本部」を置き、新工場長は「生産本部長」という位置付けになります。
そしてその新工場長には、これまで管理部門を率いていた前管理部長を任命することになりました。
連携
もう一つ変更したことがあります。
それは、「営業部」として活動していたメンバーを「管理部 営業課」として管理部に編入し、生産管理課と”横繋がり”にしたことです。
ここはこれまでも実務者同士では当然連携を取りながらやっていたわけですが、今後はさらにその連携を密にしていこうという意図です。
営業はお客様の要望を実現する使命と共に、数字に対する目標を追っています。
そして生産管理は生産負荷の低減や平準化によって生産をコントロールしなければなりません。
それがこの最近の様な忙しい状況になると、相反する方向にベクトルが向いてしまいがちです。
簡単に言うと「出来る」「出来ない」の対立になるんですね。
でもここも出来るだけ同じ方向を向いて、最適解を見出さなければなりません。
これまで以上に連携を密にすると共に、同じ管理部として、逆に生産管理はより数字を意識し、営業はより生産に配慮しながら業務を推進できると最高ですよね。
営業部を立ち上げて2年弱。
その間は私が「営業部長」を兼務してきましたが、今回の再編成で私はそこから外れることになります。
といっても私自身はそもそも何もしていなかった(私は基本的には「放任」タイプです)ので、営業のスタッフにはそんなに影響無いかも知れませんが・・・
まあ私自身は、これからより会計業務の方に軸足を置くことになりますので、そっちの方が大変な気がしなくもありませんけど。。。
解体
そしてこれは私にとっては結構大きいことなんですが、この新しい期を迎えるに当たり、5年間続けてきた「5S推進委員会」を解体する事にしました。
この5S推進委員会、社歴の浅いメンバーを主とした、社内の改善活動を推進するグループでした。
もちろん実際に様々な改善活動を実行してきて、社内の至る所に今もその爪痕は残っているんですよ。
更に実はその裏のテーマとして、
・ コミュニケーションを取り易くして、社内を活性化する
・ 自ら考え、主体的に問題解決に取り組むことで、人材育成の機会とする
なんてことも狙いとしてはありました。
ただ最近少しマンネリ化してきてしまい、なんとなくその活動のエネルギーが低下してきていました。
ついでに言うと、5Sの事は5S委員が・・・みたいな、こちらも残念ながら”人任せ”みたいな雰囲気にもなりつつあったんです。
あくまでも「改善活動は全員参加で」という考えを持っていますので、この状況もあまり好ましいものではありません。
そこで今期からは、各部署のリーダーや管理職に「5S推進」という職務を付加し、私自身が先頭に立ってこの改善活動を強力に推進していこうということです。
言ってみれば、今までの「ボトムアップ型」の活動から、「トップダウン型」の活動に変えていこうという感じでしょうか。
今もこういう活動はボトムアップ型で、みんなが主導して進めていった方が望ましいとは思っているんですよ。
ただ、ここは一度トップダウン型にして、その取り組み自体を社内の隅々まで浸透させると共に、スピード感を持って目に見える形の成果を出していくことで、この活動の意義をみんなにも再認識してもらいたいと考えました。
あまり「やらされる活動」になってしまっては身も蓋も無いので、そこら辺はある程度配慮しますが、ここで新しく刺激を加えることによって、この改善活動の再活性化を狙いたいと思っています。
そんな体制で迎える新しい一年。
今回の変化が、結果としてどんな風に成果に繋がるのかは分かりません。
でも現状に問題があるとしたら、それをそのままで放置しておくのは、一番ダメなことです。
今期も「まずやってみる」という基本精神で、変化を恐れずにチャレンジしていきたいと思います。
何か問題があれば、その時にまたすぐに手を打てば良いだけですから・・・
きっとこれが良い好循環をもたらすものだと、私は信じています。
新しいスタッフも加わって挑む、新しい期のスタート。
いろいろ大変なことも多いと思いますが、みんなで楽しんで乗り越えていきたいと思います!!