人間は噓をつく生き物です。
動物が人間の様な嘘をつくことはそうそうない訳ですから、寧ろ嘘をつくということ自体が人間が人間たらしめる所以なのかも知れません。

最近ではネット上にも(嘘でしょ!?)みたいな動画がよく転がっていますよね。
所謂フェイク動画ってやつ。
本当に精巧に出来ているので、何となく見ているとさも真実かのように思い込んでしまいそうです。
実際それを信じて思考や行動が一方に誘導されてしまったり、偏った心象を植え付けられたりしてしまう人もいると思います。
何らかの意図や悪意のある嘘から自分を守る為、その真偽を疑い見極める能力も、この人間社会で生きていくには必要な要素なのでしょう。

海外では「騙される方が悪い」みたいなお国柄のところもあるようですが、この日本では子供のころから「人に嘘をつくのはいけないこと」と教えられて育ちます。
だから嘘をついたり人を騙したりしてはいけないと多くの人が思っているはず。
それでも残念ながら、現実の世の中には嘘が溢れてしまっているんですよね・・・

 

 良い嘘と悪い嘘

 

 

 私もそれなりに長く生きてきましたので、多くの嘘をつかれてきました。
後から思えばアレも嘘だったのか・・・なんてものも含めれば、それこそ現在進行形で無数の嘘に接しているわけです。
会社の代表者という立場も、少なからず影響はあると思いますよ。
真実や本当の想いを伝え難い部分もあるでしょう。

中には良かれと思ってつく嘘もあると思うんです。
優しい嘘、相手を思いやるが故の嘘・・・みたいな。
そういうものは時に必要となる局面もあるでしょうし、その嘘によって救われたりすることもあると思います。
言うなればそれは「良い嘘」ですね。

 

 一方自分の利益や保身の為・・・といった自分の為につく嘘は「悪い嘘」だと言えます。
百歩譲って、それがプライベートな領域での事なら別にいいんです。
その人の信用が無くなり、周りから人がいなくなるだけですからね。
別に勝手にやってもらえればいいと思います。

質が悪いのは、仕事や職場で悪い嘘をつく人なんです。
いや、そんな人どこにでもいるんですよ。
当社にだって、その昔息をするように嘘をつく人がいましたからね。
嘘に嘘を重ねて、居られなくなって辞めていった人もいたっけ・・・

まあその程度なら可愛いものなんですが、仕事に於ける嘘というのは、時にすごく大きな話になってしまうことがあるんです。
嘘を嘘で塗り固めた挙句、その影響が社会問題にまで発展してしまうこともあります。
最近ではクレジットカード決済代行会社が20年以上に渡り粉飾決算を重ねた末に破産・・・なんてこともあったばかりですよね。
それ以外にも虚偽の申請やデータの改竄、検査不正など、世に名の通った大企業でさえもそういった不正行為は後を絶ちません。

 

 でもそれら一つ一つにしたって、きっかけはその組織の中の誰かがついた小さな嘘なんです。
それを隠すために更に嘘をつき、それを正当化する為に更に嘘を重ね、自らの保身を図る為に更に嘘を上塗りする・・・
その結果、気付けばもうその個人では到底火消しの出来ないレベルの大事になってしまうんです。
そうなってからでは、もう手の打ちようが無くなっているんですよね。

もちろん組織的な問題もあるとは思いますよ。
そういう嘘が見逃され、常態化していく過程において、ガバナンスが全く効いていないわけですからね。
でもその火種となるのは、やはり個人のついた些細な嘘。
だから仕事をする上での嘘というのは、絶対にあってはならないものです。

 

 

 なぜ今回、急にそんな話をしだしたのか・・・
はい、実はある仕入れ先に嘘をつかれていたことが昨日発覚したからです。
事自体はそんな大事というわけではありません。
何らかの不正行為だったり、延いては社会問題化してしまう様な影響のあることでは無いんです。

ただ私が問題視するのは、その姿勢です。
実際その会社の方は数日前に当社に来社され、商談の場でもその件について会話をしていました。
それが舌の根も乾かぬうちに「実は数か月前から・・・」なんて平然と言ってのけるのですからね。
その無責任な姿勢には驚かされました。。。

あまり詳細を書くのは不適切な気がしますが、曖昧過ぎても伝わりませんね・・・
例えば我々が牛肉としてお客様に提供している商品があったとします。
でも我々の社内都合、つまり加工や管理的な都合により、牛肉の中でも敢えて黒毛和牛を指定して、我々は仕入れを行っていました。
にもかかわらず、「実は半年前からアメリカ産の牛肉を入れていました」と突然言われてしまったわけです。
一昨日に「御社には黒毛和牛を入れています」という話をしたばかりなのに・・・。
何を売っているのかを担当者が知らないはずはありませんので、嘘をついていたことは明白なんですよね。。。

 あくまでも社内都合による産地指定ですので、牛肉を提供している以上は我々のお客様に実害はありません。
お客様の要求が黒毛和牛だったり、我々が黒毛和牛を謳って商売をしていたら大問題ですけどね。
そういう意味ではそれは大した問題ではないんです。
ただ、やはり平気で嘘をついて商売をするその姿勢には違和感しかありません。

だってそんな風では、「実は先週から牛肉じゃなくて豚肉を入れていました」なんて言い出しかねないじゃないですか。
業界では”天ぷらをあげる”みたいな言い方をしますが、そんな不正な商売をへっちゃらでやる会社だと思われてもしかたないですよ。
ましてそれを我々が牛肉として販売してしまったら、それこそ大問題です。
当社の信用まで失墜してしまいますからね。
本当に勘弁してもらいたいものです。。。

 

 

 そんな訳ですから、やはり仕事に於いて嘘をつくことは絶対にダメなんです。
小さな嘘であってもですよ。
それが瞬く間に燃え上がってしまう火種になりかねませんからね。

そして問われるのはその姿勢なんです。
それで当社やその販売先に何らかの影響や実害が出た時に、責任とれるんですか?
そういう話なんですよ。
その影響まで考えられないのなら、もうその商売は止めた方が良いと思います。

今回は大事には至りませんでしたが、我々も改めて気を付けなければならないと考えさせられました。
そして同時にそういう仕事に取り組む姿勢については、我々も今一度見つめ直していきたいと思います。

 

 

 

 

 

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