前代未聞

 

 

 いよいよ佳境を迎えたFIFAワールドカップ2026北中米大会。
明日7月19日には3位決定戦のフランス vs イングランド、翌20日にはスペイン vs アルゼンチンの決勝戦が行われます。
早朝の放送ですが中継もある様なので、私も早起きして観戦したいと思います。

そんなワールドカップですが、今回は色々と物議を醸していることがいくつかあります。
例えば出場国数。
今回は今までの36チームから48チームと増えています。
裾野を広げたい思いは理解できますが、どうなんでしょうね。
しかも次回は64チームでやることも検討するのだとか・・・
そうなると今回の様な変な「3位抜け」が無くなるのでしょうが、それにしても多過ぎる気がします。
予選の意味も無くなってしまいますよね。

ハイドレーションブレイク(給水タイム)についても賛否あります。
確かに酷暑の中でのゲームであれば、選手の安全の為にも必要なケースはあると思うんです。
でも実際は空調の効いたスタジアムでもやっていますからね。
選手たちからも「不要だ」という声も聞こえてきています。

結局そこに透けて見えるのが、「商業化」と「アメリカ化」と言われています。
歴史あるサッカーの祭典であれど、詰まるところこれも興行に過ぎないのですから、収益の最大化が目指すべきところなのは仕方ありません。
出場国が増え、ハイドレーションブレイクでサッカーを4クォーター制みたいすれば、放映権収入やスポンサー契約、広告収入なんかも爆増でしょうからね。

その最たる例が、決勝戦のハーフタイムに予定されているハーフタイムショーです。
通常15分とルールで決まっているものを、25分程度に延長して何組かのアーティストが公演するんだとか・・・
しかも対戦するスペインともアルゼンチンとも無関係なアーティストが・・・
多くのサッカーファンは(要らねぇよ!!)と思っていることでしょう。

百歩譲ってルール通りの15分でやるなら分かりますが、いとも簡単にルールを変えてしまうところに違和感を覚えてしまいます。
例えば今回も出場国数が増えた為に、決勝までの試合数が1試合増えているんです。
そうすると得点数などの記録一つをとっても、過去のものと比較できなくなってしまいますよね。
こんな流れが続くのは嫌だなぁ・・・と私は思っています。

 

 執行猶予!?

 

 

 ただ先述の通り、これは収益を目的としたビジネスの側面もあります。
具体的に言うと、このワールドカップを主催するFIFAの今大会(予選も含めた2023年から2026年までの4年間)の総収入は130億ドル(日本円で約2兆1,000億円)なんだとか。

一方アメリカのNFL(アメリカンフットボール)は年間収益で230億ドル(日本円で約3兆7,000億円)、同じく4年にすると920億ドル(日本円で約14兆7,000億円)にもなります。
そりゃあアメリカのスポーツビジネスを真似たくもなりますよね・・・
だから何らかの変更を加えながら、これからも取り組んでいくのでしょう。

 

 ただ今大会で、どうしても許せなかった事件があります。
それが開催国であるアメリカ代表FWフォラリン・バログンの一件です。
サッカーに詳しくない方もいると思いますので、概要を説明します。

事の発端は7月1日に行われた決勝トーナメント1回戦、アメリカ vs ボスニア・ヘルツェゴビナ戦でした。
試合終盤にバログンが相手選手の足を踏みつけたことにより、一発レッドカードで退場処分となってしまいます。
サッカーに於いてレッドカードとは、そのゲームからの退場と同時に、次戦の出場停止を意味します。
アメリカはそのゲームには勝利したものの、今大会アメリカ代表最多得点を挙げていたバログンのレッドカードは、チームにとって非常に重いものでした。

本来レッドカードによる出場停止は次戦に自動的に適用されるものです。
しかしここからが異例でした。
7月5日、突如FIFAがこの出場停止措置に1年間の執行猶予を付けて、事実上保留すると発表しました。
これは過去に前例の無い、異例中の異例な事態です。

誰もが(なんで!?)と思ったことでしょう。
でもそこに政治権力が働いたであろうことは誰の目にも明らかでした。
現にアメリカ大統領であるトランプは、FIFAの会長であるインファンティーノに電話をして、判定の再検討を指示していたことを認めており、自身のSNSでも「不当な処分を覆した」としてFIFAに謝意を示しています。

 

 いやいや、これはやっちゃダメでしょう?
こんなの許したら、それこそなんでもアリになってしまいます。
まあトランプは正真正銘のおバカですから、そういうことも言い出しかねませんよ。
でもそんな無茶苦茶な要求、普通呑むかい?
インファンティーノもどうかしてますよ。

レギュレーションを変えてしまっては、競技の公平性が失われてしまいます。
そのプレーがハンドかどうかとか、そのタックルをファウルとするかどうかとか、そういうルールの運用の話では最早ありません。
レギュレーションとはもっと階層が上の話なんです。

分かり易く言うと、
(トランプ)「普通にやってもベルギーには勝てそうもないから、13人で試合をさせろ!」
(インファンティーノ)「分かりました!ではキーパーも2人にしましょう!!」
なんて馬鹿げたことを許しているのと同じようなものです。
そんなことやっていたら、根本的に成り立たなくなってしまいます。

実際それに続けとばかりにフランスが前節のイエローカードを取り消すようFIFAに求めたりしていました(敢えなく却下されていましたが・・・)
大会規則というレギュレーションまで開催国優遇の為に変更してしまっては、組織運営の健全性や信頼性も揺らいでしまいますよね。

 

 昨年インファンティーノが突然「FIFA平和賞」という謎の賞を新たに設け、ノーベル平和賞を懇願しながら惨めにもかすりもしなかったトランプが受賞するというコメディーがありました。
あのあたりからインファンティーノの「擦り寄り」は気持ち悪かったんですよ。

結果どうですか?
その平和賞とやらを受賞したトランプは、翌年に泥沼化するイラン戦争をおっ始めました。
そしてそのおバカ2トップによって優遇されたアメリカ代表も、ベルギー戦では1-4と惨敗しています。
バログン自身が出場を辞退する、あるいはアメリカチームとして出場させずベンチからも外す、なんて措置も自主的に取れたはずなんですけど、恥も外聞も無く普通に出場して惨敗とは・・・
せめて競技者としてのプライドというか、気高い精神くらいは見せてもらいたかったところです。。。

 

 

 まあそんなごたごたはありながらも、選手たちは素晴らしいプレーを見せてくれています。
個人的には決勝はフランス vs イングランドと思っていましたが、見事に外してしまいました・・・
ただその準決勝の2試合も見ていましたが、とても良いゲームでしたよ。

決勝は、普通に考えるとスペインなんだと思います。
フランス戦を見る限り、あの圧倒的に美しく知的なサッカーを崩せるイメージが全く湧きませんでした。
アルゼンチンは決勝トーナメントに入ってから2試合も延長戦をやっている上、スペインよりも1日インターバルが少ないのも気になります。

でもアルゼンチンにはサッカーの神様に愛された、神の子 メッシがいますからね・・・
恐らく今回が最後のワールドカップということで、チーム全体が「メッシにタイトルを!!」と団結している様にも感じます。
ここまでの戦いも、土壇場でひっくり返すようなゲームが多かったので、またミラクルを起こすかも・・・なんて期待感もあるんですよね。

さて、どんな展開の試合になるのでしょうか。
あと2日、楽しみに待ちたいと思います。

 

 

 

 

 

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