
当社には「製造部」「管理部」「営業部」と3つの『部』があります。
そしてそれぞれの部は「第一製造課」「第二製造課」「生産管理課」「品質管理課」「総務課」などの『課』から構成されています。
さらにその課の中には「溶接チーム」「ベンドチーム」「ブランクチーム」「技術チーム」「工務チーム」「物流チーム」といった具合に『チーム』があり、このチームが社内での最小単位の組織になります。
また部の責任者は「部長(製造部は工場長)」、課の責任者は「課長」、そしてチームの責任者は「チームリーダー」という役職が付され、その責任者は強いリーダーシップでその組織をまとめ、業務を強力に推進していかなければなりません。
今回はその「チーム」について少し考えてみたいと思います。
グループとチーム
チームに似た言葉で「グループ」というものがありますよね。
厳密に言えばそれには明確な違いがあるのかも知れませんが、私の中でその区別はそれなりにはっきりとしています。
チーム
チームには共通の目的や、その目的を実現するための共通の目標があり、その達成の為に働く集団です。
チームのメンバーはあくまでもそのチームの一部であり、それぞれが互いに支え合い、協力しながら仕事を進めていくイメージですね。
その為にはチーム内での情報や経験の共有や、円滑なコミュニケーションが必須となります。
そしてその結果として1+1を3にも4にもしていくようなシナジー効果を生み、生産性を最大化するのに資するものだと考えています。
そういう意味では、4番バッターやエースストライカーばかりを集めた集団をチームとは呼べません。
あくまでも主体は「チーム」ですので、その共通の目的を達するために、それぞれの特性や能力によって役割も違って当然ですし、足りないものがあれば教え育てることも必要になってきます。
また課題改善にもチームであることは優位に働くと考えます。
全体最適の視点で課題解決に当たりますので、個で取り組むより迅速に改善策を講じ、チームとして共有することで水平展開が進んでいきますので、その改善活動もより効果的なものになるはずです。
グループ
グループは共に働く集団であり、個の集合体です。
あくまでも主体は個ですので、働く目的や目標も個人にフォーカスしたものとなりがちです。
そしてグループの場合、その他のメンバーに対する意識や関与も希薄になっていきます。
支え合い助け合うよりも「自分でやった方が早い」という思考に陥り、その集団としての成果も属人的になり易いのではないでしょうか。
ひょっとしたらその方が目先の仕事の個人的な「効率」を考えると良いのかも知れませんが、それは他のメンバーの成長を阻害することと同義です。
最悪「出来ない人は切り捨てる」といったケースさえも出てくるかも知れません・・・
個人主義に特化するあまり、組織としての目的や目標が埋没してしまう恐れもあるのではないかと思います。
どちらが正解かという話ではありません。
業種や組織形態によっても様々ですから、どう在るべきかもそれぞれです。
ただ私たちは個の成長がチームの成長を促し、それが最終的に会社の成長に繋がるという考えに基づき、「共に成長することを志向」する集団でありたいと思っています。
そういう意味で私たちは「チーム主義」を標榜しており、組織の名称に「チーム」を採用しているんです。
「水を運ぶ人」「リーダー」
ただチームにもデメリットがあります。
その一つは、個人の評価がし難くなることがあるということ。。。
先述の通りあくまでも主体はチームであり、チームとしての目標達成の為にそれぞれが仕事に取り組みます。
でもチームの一部として各々が役割を果たし、仕事をしているにも関わらず、得点を決めた人やホームランを打った人だけがスポットライトを浴びてしまうことがあってはおかしいですよね。
元サッカー日本代表監督のイビチャ・オシムさんは「チームには水を運ぶ人が必要だ」と語っていました。
この「水を運ぶ人」とは実際に水を運ぶ係という事ではなく、献身的な守備やオフザボールでの動きでチームに貢献する人のことを指しています。
そういった「縁の下の力持ち」「見えにくいところで努力している人」を正しく評価することが、チームを上手く運営していく上では絶対に必要なんだと思います。
そしてもう一つは、「責任」が曖昧になりがちという点です。
もちろん全体最適の視点で、コミュニケーションを密にとって物事を進めていくことは必要ですが、全ての事柄に全員の合意を取り付けることは難しいものです。
異なる状況や立場によって変わるそれぞれの主張をまとめ、全員にとって100点満点の答えを導き出せることの方が少数ですよね。
そしてそんな不毛な話し合いに終始していたら、肝心な「スピード感」も失われていってしまいます。
だからこそ、チームで仕事をする上では「リーダー」の存在が肝になります。
時に全ての責任は自分が取る覚悟で物事を判断し、相応のエネルギーを持って業務を推し進めていく力、「突破力」みたいなものも必要です。
そういうリーダーの姿勢がチームに一体感を生むものだと思うんです。
そんなリーダシップを持ったリーダーの存在も、チームの運営には欠かせないものだと思います。
チームというのは共通の目的の為に共に働く集団です。
居心地が良いだけの”仲良しごっこ”の集団ではありません。
今所属しているチームのこと、そのチームでの自身の役割について、またそのリーダーであればそのリーダーとしての職責を今一度考えてみるのも良いかも知れませんね。
「チームで仕事をする」ということは言うほどに難しいものですが、それが私たちの進むべき道だと信じています。