
現在WEBサイトで求人活動を展開中の当社。
先々週お話しした通り、今回は職場案内の第一弾として「板金工場」を紹介したいと思います。
求人の記事でも簡単に仕事内容には触れていますが、もう少し詳しく知りたい方もいらっしゃいますよね。。。
事業内容
まずは私たちの事業の内容についてです。
これを知っておいて頂かないと、始まりませんからね。。。
私たちは「板金加工」を生業とする、部品メーカーです。
前も少しお話ししましたが、板金加工とは鋼板を使って立体的な構造物を造る「金属の折り紙」を想像してもらえるとイメージし易いと思います。
造るのはお客様である大手メーカー様の機械の部品や車両の部品。
設計からお手伝いすることも稀にありますが、基本的にはお客様から図面やデータ(2D/3D)を提供していただいた上で、その目的物の製造を託されます。
つまりそんなお客様の「こんなものを作って欲しい」という要望を、高い技術と優れた技能で具現化することが、私たちのミッションです。
製造の流れ
まずはお客様の要求通りの製品を造る為に3D-CADを用いて三次元の姿をモデリングし、それを平面化(展開)したデータを作成するところからスタートです。
その展開データを専用のCAD/CAMで材質・板厚ごとにネスティング(板取り)し、加工用のプログラムを作成したら実加工に移ります。
プログラムに従ってレーザー加工機や複合加工機(パンチレーザー)で鋼板を切り出し、構成部品をKITして製品単位に取り揃えます。
そして切り出した材料をプレスブレーキというベンダー(曲げ機)で自在に鋼板を折り曲げていくと、二次元の平たい鋼板が徐々に立体的な形状に・・・
最後は溶接でそれぞれの部品を取り付け、美観を損なわない様に丁寧に仕上げをしたら部品製作は完了です。
お客様の要望があれば、塗装やメッキなどの表面処理を施したり、更にそれらを組み立ててユニット化したものを納品させて頂くこともあります。
生産体制
特徴的なのは、お客様も我々も基本的には「受注生産」であるということ。
つまり向け先が決まったものを都度作っていますので、いわゆる「多品種少量」の生産となります。
なので社内で生産している製品の生産LOTもほとんどが「1個」・・・
同じものを何千個、何万個作るようなことはありません。
そしてもう一つの特徴は「専職制」の生産体制を敷いているということ。
これは一人の人が複数の工程を掛け持ちしない・・ということです。
製造部門のスタッフは、それぞれの担当の場所、担当の機械装置で担当業務に当たっています。
ただ先述の通り多品種少量生産であり、携わる製品は多岐に渡りますので「同じ作業をし続ける」という訳ではありません。
これによって各個人は、自らが担当する工程の技術を高められると共に、より深い専門知識も得られます。
製品のリピート率は高いので、習熟度が高まれば更に生産性も上がり、品質の安定も図れますので良いことづくめです。
いわゆる”大量生産”ではない分、多様な製品の製造に取り組めますので、向上心を持ち続けることさえできれば自ずとスキルアップを実感できると思いますよ。
板金工場
当社は「板金工場」と「本社工場(溶接工場)」という2つの生産拠点があります。
板金工場には「営業」「生産管理」「技術」の入る事務所と、主に機械板金加工に従事する「第二製造課」があります。
今回は生産フローでは”上流”となるこの板金工場を、求人の業務内容毎にご案内したいと思います。
CAD
当社の組織上は「技術」と呼ばれるチームで、板金工場2Fの事務所が職場となります。
主な業務は、3D-CADを用いた製品のモデリング、作図、展開データとネスティングデータの作成です。
所属は男女各1名ずつの計2名。
ちなみに2人とも未経験からの中途採用ですが、本来この部署はある程度のCADの実務経験や、板金製造に関わった経験があることが望ましいと思います。
なぜなら「展開データの作成」は工程設計の意味合いもあり、この出来次第で生産効率や品質に大きな影響を及ぼすことになるからです。
図面を正確に読解する能力も求められるうえ、幅広い製造の知識が必要です。
「ネスティングデータの作成」については、今はほぼ自動でできるソフトになってはいますが、やはり板金機械に関する一定の知識は必要となります。
もちろん「人物重視」の採用方針ですので、CADが志望であればそれを前提に採用を検討しますが、何れにしても入社後は一定期間現場研修を行うことになるかと思います。
機械オペレーター(ブランク)


ブランク工程とは、鋼板を切り出す加工を行う工程です。
現在ブランクチームには5名が所属しています。
使用する機械は上の写真の様な大きな機械。
1枚目は6年前に導入した複合加工機。
ファイバーの発信機を積んだ最初のレーザーパンチだったと思います。
奥に見えるのが本機と連結したストッカーです。
このラインにしたことで、無人での長時間自動運転が可能となりました。
2枚目は3年前に導入した高出力ファイバーレーザー加工機。
発売直後の導入だったこともあり、県内では初号機だったと聞いています。
この機械を入れた後、当社を舞台に工場見学会を開催しましたが、海外からも大勢のお客様がご来社くださいました。
ちなみにこちらもストッカーと接続したライン仕様なので、長時間の自動運転が可能となっています。
やはり「省人化」「省力化」は昨今の設備投資の大きなテーマですからね。
共に最新のNCを積んでいますので、操作や調整などは本当に難しくありません。
もちろん現場で複雑なプログラムを作ることもありません。
社内ネットワークに繋がっていますので、バーコードを読み込んでスタートボタンを押すだけです。
だから特別必要な経験や資格などはありません。
強いて言えばフォークリフトの免許はあることが望ましいですが、当社には「資格取得補助制度」がありますので、免許が無くても入社後に取得してもらえればOKですよ。
機械オペレーター(ベンディング)

鋼板の曲げ加工を行うのがベンドチームです。
現在4名のスタッフが所属しています。
でも機械は5台・・・
はい、今1台空いているんです。。。
なのでこのチームにはあと1人は絶対に必要なんですよね。
まあそうでなくても、私は板金の仕事を未経験から始めるなら、この「曲げ工程」から始めるのが最適だと考えています。
なぜなら私たちの製造現場の流れを雑に言うと、「切る」⇒「曲げる」⇒「くっつける」という感じです。
そうすると、この「曲げる」という工程は真ん中の工程。
この工程を経験することで、否が応でも前後工程との関わりが出来てくるんです。
更に言えば、この曲げ加工は当社の技術的な”売り”の一つでもあります。
同じような金属加工業はたくさんありますが、例えば溶接であれば「製缶」、精度であれば「精密板金」といった業界の方に”一日の長”があります。
一方で私たちが日ごろ行っている機械カバーなどの「曲げ」加工、実はこれ意外と同業他社から見ても”まあまあの難易度”らしいんです・・・
確かに複雑な形状が多いですからね。。。
だからこそ、その技術は大きな武器にもなるんです。
でもこちらの機械も全て社内ネットワークで運用していますので、基本は全てバーコードでデータの受け渡しをしています。
だから難しい操作はありませんし、すぐ隣には先輩社員が常にいますので教えて貰いやすい環境です。
そういう意味でも「初めての板金」にはもってこいだと思います。
ブランクもベンディングも、最近の機械は「スキルレス化」が進んでいます。
作業者の練度に依らないという意味では良いことなのかもしれませんが、習熟度が向上し辛いという負の一面もあるんです。
しかし自動化や省熟練化がどれだけ進んでも、やはりその先には「職人の領域」というものはあります。
機械操作を覚え、ある程度の定型作業がこなせる程度には、意外と早くなれると思います。
でもそれはまだ「機械に使われている」状態。
だからこそ、本当の意味で「機械を使いこなせる」一流の職人が必要とされるんですよね。
興味のある方は、是非お気軽にご応募ください!!