
2月といえば、忘れてはならない国民的イベント…
はい、確定申告の季節ですね。
今年は期限が延長されるそうですので、忘れないようにしてください…
以上です。
ウソです。。。
そう、2月といえばバレンタインデーですね。
私なんかにだって、そりゃ忘れられないバレンタインの思い出の1つや2つや3つや4つ…
そんな中、今でも2月になると決まって思い出すあの日。
私が高校1年生、2月16日のことです…
その当時、私は電車で通学をしていました。
駅にしてたった3駅だけだったんですけどね…
そもそも高校に入って最初の頃は自転車で通っていました。
中学の時から付き合っていた、近くの高校に通う彼女と一緒に楽しい通学の日々です。
でもやはり違う学校に通っている二人はすれ違うもの…
高校に入ると少しして、その彼女とはサヨナラすることになりました。
で、気分転換も兼ねて、3駅だけの電車通学をすることになった訳です。
まぁ当時一番仲の良かった友人(通称19号)もその電車だった…ということもありましたけど。
そういえば彼(19号)はどうしているんだろう…
バンドを組んでボーカルをやっていた19号(彼)、そのメンバー達と「アメリカに行って勝負してくる!」と言って、高校1年で退学してしまいましたが…
その後私が音楽に目覚め、バンドを組んで歌っていたのも、少しは19号の影響があったのかも知れません。。。
「明日何限目から行く?」なんて話を前日にして、待ち合わせをして同じ電車で通学。
「高校なんだから毎日1限目から行くのが当たり前」だった気はしますが、2人ともあまり細かいことは気にしない性格だったんですね。。。
最寄り駅についてからも、学校とは反対方向の喫茶店に行って、コーヒー(当時は甘いヤツしか飲めませんでした)飲みながら音楽の話…
学ラン着た高校生がモクモク煙草を吹かしているのに、通報どころか何も言ってこなかったあのマスターも、細かいことは気にしない性格だったんでしょう。。。
電車通学をしていると、基本同じ車両に乗り込みます。
まぁ19号がいるから当然ですが…
そうすると、なんとなく「その時間」「その車両」にいる面子も決まってきますよね。
当然別の高校の生徒なんかもいるわけです。
「おい!アイツかわいくない?」(19号)
「マジ?どこどこ?」(私)
そんな毎日。。。
ある日なんとなく視線を感じた私。
隣の19号はイヤホンをしながら、目を閉じて何やら口をパクパクさせています…
(歌詞でも覚えてんのかな…)
近くライブがあるらしく、Guns N’ Rosesの曲が漏れ聴こえていました。
(話しかけにくいな…)
私は19号に声をかけるのをやめ、その”視線の主”を探しました。
隣の車両に目を向けた瞬間、私はすぐに探すのを諦めることにします。
(うわっ…Fさんいるじゃん…)
Fさんは隣の中学の先輩で、かなり恐ろしいと一目置かれている方…
目が合ってしまうと、その後どんなことになるやら…
私はその”視線”は気のせいだと自分に言い聞かせ、19号と喫茶店に向かいました。
数日後、やはりなんとなく視線を感じた私。
Fさんがいないことは確認済みです。
19号もなぜか電車に乗っていなかったので、少々暇を持て余していた私。
今日こそは!と大捜索を開始しました。
時々窓の外を見たりするフェイントを繰り出しながら、探すこと数分…
そしてついに見つけました!
いつもFさんが独占していた優先席の少し向こう。
その”主”は、2人組の女子高生の1人でした。
(か、かわいい…)
ちょっとやんちゃそうな雰囲気ですが、ショートカットのよく似合う彼女。
なんとなく当時売れていた女優さんに似ています。
(ぜってぇ俺のこと好きじゃん!!!)
はい、思春期の男の子はみんなそんなもんです。。。
お互い話しかけることもないまま数日が過ぎます。
19号には既に報告済みです。
もちろん
「どうよ?俺の彼女かわいいだろ?」
くらいの勢いで…
実際は名前さえも知らないくせに。。。
三寒四温というやつです。
2月中旬に差し掛っても、まだ寒さの残る頃、
「明日は寒いから休むわ…」
「今日は雨降ってるから休むわ…」
2/14~15と、19号と示し合わせてズル休み。
バイトが忙しかったこともあり、バレンタインのこともすっかり忘れていました。
(19号のヤツ、自分がチョコ貰えないからって俺をハメやがったな…)
(クラスの女子のみんな、そしてあの電車の女神、ゴメンよ…)
そんな思いを抱きながら乗り込む電車。
2/16の朝です。
(Fさんはいないな…)
勝手にFさんの出欠を取るのが日課になっています。
そして優先席の向こうの女神…
もう目が合っても気まずい感じもありません。
そりゃそうです。
私の彼女(私の中では)なんですから。。。
(先に謝っちまおうか…)
(いや、でもなんて…)
(「バレンタイン忘れててゴメン」とか?)
(いや、さすがにそれは無いか…)
私が一人で妄想を繰り広げている間、19号はなんか一人でしゃべっています。
全然耳に入ってこないので、やっぱり口をパクパクさせてるだけです。
どうせ「喫茶店行こうぜ」みたいなどうでも良い話…
視界の端の19号を煩わしく思っている間に、駅についてしまいました…
所詮3駅だけです。
席を立ってドアの方に歩く私と19号。
その時です…
「あっ!」
背後から走ってくる足音…
既に私は電車の外です…
「あのっ!!」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
「よかったらコレ受け取ってください!!!」
ヤタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
春の訪れです!
振り向いて初めて交わす言葉…
(なんて言おう…)
(悪いな19号…)
そう思いながら、意を決して振り返る私…
(オマエダレヤネン!!)
想定外の言葉を必死に飲み込む私…
目の前にはほっぺを真っ赤にして、リボンのついた箱を持つ”ぽっちゃり”を軽く通り越した女の子…
(エッ!?)
その傍らで優しく微笑む俺の女神…
私の横には腹を抱えて笑っている19号…
戸惑っている私に
「貰ってあげなよ!!」
と女神。。。
「あ、あぁ…」
チョコを受け取ると同時に締まるドア。
プシュー
「・・・・・・・・・」
私は走り去る電車を見送りながら、しばらく立ち尽くしていました。
今でも2月になると思いだします。
バレンタインの甘い思い出…
彼女はどうしているんだろう…
次の日から自転車通学を再開した私には、知る由もありません。。。