正義

 

 

 

 

 光と影、表と裏の様に、物事には対となる別の側面があるものです。

そしてそれは「どの角度から見ているか」で、真逆の見え方になってしまうことがあります。

だから”100%の正解”があること自体が稀で、結局はその人の思想信条や哲学や宗教、或いは置かれた環境なんかで、その捉え方は「人それぞれ」ですよね。

 

 では「正義」に対する言葉って何でしょうか・・・

「悪」?

確かに正義のヒーローと対決するのは悪者ですからね。

それも答えの一つかもしれません。

 ちなみに反対語辞典とやらには、正義の反対語は「不義」と書かれているそうです。

・「正義」=人の道にかなっていて正しいこと

・「不義」=人として守るべき道にはずれること。また、その行い

こう定義されているみたいです。

 

 でもこれって曖昧じゃないですか?

「人の道にかなっていて正しい」って、人それぞれの考え方の問題ですよね?

だから私は思うんです。

「正義」の反対にあるもの、それもまた「正義」という答えもあるんじゃないかと。。。

 

 

 戦争・・・

 

 今週、ロシア軍がウクライナに侵攻を始めました。

私は歴史的なこととかよく分かりませんし、これまでの経緯の全てを知っているわけではありませんので、どちらがどうこうという話は出来ません。

 

 ただこの一連の報道を見ていて、やっぱり思うことはあるんですよ。

一つは「日本は大丈夫??」という点。

建前的には「領土問題は存在しない」としていながら、双方が「我が国の固有の領土」と言い張っている島や、既に他国に実効支配されている島、もうずっと返還交渉をしながら一向にその兆しもない島々などありますよね?

この国で教育を受けた私からすれば、私たちの主張が正しく、相手が間違っているという事になります。

でも相手にとっては日本の主張こそ「虚偽」「捏造」「歴史的根拠のない主張」という事になってしまいますよね。

彼らにとってはそれが「正しい」訳です。

このまま国際的な司法の場にも持ち上がらず、いつまでもお互いが自らの「正義」を振りかざして主張を続けていれば、いつ不測の事態が起こってもおかしくないじゃないですか・・・

偶発的なことがきっかけで・・・なんてあり得ない話じゃないですから。

果たしてそんな時、この国はちゃんと自らの領土を守ることができるのかな・・・そんな風に思ってしまいました。

 

 そしてもう一つ感じたのは、「圧倒的強者による弱い者いじめ」と「非難するだけで傍観する周囲」に対する嫌悪感や無力感。

本当に虫唾が走る様な、嫌な気持ちになります・・・

何も周辺国やNATO側も武器を取って世界戦争を始めろとか、そういう話ではないですよ。

強者同士が正面から武力的に対峙してしまうと取り返しがつかなくなることくらい想像はつきますから、どうしようもないことだと折り合いをつけて、割り切って考えるのが良識的な考え方なんでしょうけど・・・

 でも口先だけで非難を繰り返し、手緩い経済制裁を科すとかじゃなくて、もっと即効性のあるやり方ってないんですかね。

今この瞬間も危険に曝されている人が大勢いる訳ですから・・・

 きっと偉い人たちが練りに練って考えたことなんでしょうし、私には対案なんてありもしなんいですが。。。

ただこれでは”やったモン勝ち”みたいな、悪しき前例となってしまいそうな気がして、すごく嫌だなと感じています。

 

  

 利害

 

 ビジネスの場でも利害の対立は日常的に発生します。

それは取引先とだけではなく、社内でだっていくらでも起こる事ですよね。

そんな時、人の話に全く聞く耳を持たなかったり、自ら(自社)の都合ばかりを声高に主張する方がいます。

当然「じゃあ”ど突き合い”で決めましょう!」という訳にもいきませんから、それでも建設的な議論を通じて着地点を見出さなければなりません。

 でもそれだってそう簡単な話じゃないんです。

立場が違う以上課せられた使命も違う訳ですし、前提条件や認識が違っていることもあります。

損得勘定だけで判断できるなら比較的落とし所は見つけやすいでしょうが、そこにプライドや意地なんかの感情も混ざってしまうのが人間ですからね。。。

どちらかが一方的な優越的立場にない限り、是々非々の協議を重ね、時間を掛けて妥協点を探っていく必要がある訳です。

 

 そんな時、どれだけ自身の「正義」だけを押し通そうとしたって、相手に通じるものではないですよね。

ちゃんと相手の声に耳を傾け、時に相手の立場になって考えてみたり、自らの考えや認識を疑って違う角度から考えてみたり・・・

そうやって相手の想いに身を寄せるというか、相手を思いやる姿勢みたいなものが状況を好転させるきっかけにもなったりすると思うんです。

それってビジネス上の利害の対立に留まらず、きっと大きな意味では国家間の対立にだって同じことが言えるんじゃないんでしょうか。。。

 

 

 すでにウクライナでは大勢の人が死傷されているそうです。

今のところその多くは軍人の方たちだと思われますが、このまま戦闘が激化して市街戦にまでなれば民間人にもその被害は拡大していくと思われます。

いかに戦うことを使命とし、多くの敵を殺傷することが求められる軍人であっても、その人を必要とする人や大切な人がいるはずです。

無くなって良い命なんて、一つも無いんじゃないでしょうか・・・

ましてや罪のない民間人、女性や子供達まで危険に曝す様な軍事行為は絶対にあってはならないと思うんです。

 ウクライナやロシアといった当事国だけではなく、今回の発端とされるNATO加盟国のリーダー達も含めて、もう少し相手の声に耳を傾け、思いやりの心を持つことは出来ないもんですかね。。

そしてこんな状況の今だからこそ、日本のリーダーが中立的立場で、何か主導的に貢献出来ることもあるんじゃないのかな。。。

 

 自分たちの正義は、必ずしも相手にとって同じ正義とは成り得ないものです。

その前提に立って、再び対話による解決を模索し直すべきだと思うんですよね・・・

 どちらが勝とうが負けようが、最終的に痛みや苦しみを強いられるのは、やはり双方の国の一般市民です。

一刻も早く平和的な解決に向かう様、願って止みません。