根っこ

 

 

 今週の火曜日、ニュースを見てびっくりしました。
「51階建てのビルの建設現場で、15tの鉄骨と作業員5名が7階から落下して2名死亡」というニュースです。
建築の現場での墜落事故というのは時々耳にすることはありますが、大手ゼネコンの施工現場でこれだけ大きな事故というのはそうそうあるものでは無いと思っていました。
 まずは亡くなられた方々の御冥福をお祈りすると共に、ご遺族の方々にはお悔やみを申し上げます。

 同じ日、埼玉県の土木建築会社の資材置き場で、フォークリフトで運搬していた資材が崩落して従業員が亡くなったというニュースもありました。
それ以外にも最近会社の業務下での事故のニュースが度々あり、その度に業種は違えど我々も気を付けなければ・・・と思いを強めていたところです。

 会社で起きた事故は、事の大小に関わらず「労働災害」であり、会社の責任も問われることになります。
関係法令は守られていたか?労働環境は適したものだったか?資格は?教育は?といった具合ですね。
因みに先述のフォークリフトの事故の件で言えば、運転者は無資格だったとのこと・・・
もちろん中には有資格者でも運転が下手な方もいますので、必ずしも無資格だったことが原因だと言い切れるものではありませんが、会社としてはそこの管理責任は問われて当然です。

 会社には、利益を上げるよりも、品質や納期を守るよりも、従業員の安全を守る責任があります。
それは比べるまでもなく、別の次元で最優先にされなければなりません。
だとすれば、今回の件を”対岸の火事”とするのではなく、我々も「自分たちは大丈夫か?」と考えなければならないのだと思います。

 

 

 KYT

 

 

 「危険予知トレーニング」というものがあります。
危険(iken)予知(ochi)トレーニング(raining)で、通称「KYT」と呼ばれるものです。

 これは上の様な図などを用いて数名のチームで行うトレーニングで、基本的には次の4つのステップで進めていきます。
1.どんな危険が潜んでいるか
2.その危険の本質的な原因はなにか
3.事故を防ぐ為にはどのような手立てが必要か
4.実際の自分たちの職場に置き換えて行動計画を練る
を話し合う・・・といった具合。

 こういうトレーニングを繰り返し、それぞれの潜在意識の中に「危険」という情報を刷り込んでおくことで、日常業務に於いても自然に危険を意識するように習慣付けをすることが目的です。
それ以外にも
・ 危険予知能力が向上することで、日常の行動が注意深くなる
・ 原因を突き止める思考力や問題解決能力が鍛えられる
・ 職場の安全に対して人任せにするのではなく、自分事として考えられるようになる
・ ミーティングで活発な議論を交わすことで、チームワークの醸成やリーダーシップを育成することができる
・ 周囲の危険行為について、見て見ぬふりすることなく自然に注意し合える健全な職場風土を根付かせられる
などといった効果も期待できます。

 一度やって終わりではなく、短い時間でもいいから続けていくことが肝要です。
なにせ目的は「習慣付け」ですからね。
法令はもとより、それぞれの職場で決められたルールを守ることが、無意識下でも出来る様にならなければなりません。

 

 

 原因

 

 

 労働災害の原因の大多数は「不安全行動」です。
その不安全行動を抑止するために、「危険」という情報を潜在意識に刷り込むことが必要になります。
ではその不安全行動とはどんなものか・・・

 一つは「ヒューマンエラー」、つまり人為的なミスですね。
勘違いや思い込み、見間違いや聞き間違い、ぼんやりしていた、ついうっかり・・・などなど、意図せず起こした不注意な行動。
多くはここに分類されるものと思います。
だから「習慣化」させる必要があるんです。
いちいち「あれ?これどうするんだっけ・・・?」なんてことではダメですよね。。。

 もう一つが「リスクテイキング」です。
「リスク(危険)」を「テイク(選択)」するからリスクテイキング。
自ら危険を選択しているということになります。
一見そんなわざわざ危険なことするわけないじゃん・・・なんて思えてしまいますが、意外とそうでもありません。
「慣れた作業だから作業手順から逸脱する」「効率を優先するあまりに確認を疎かにする」「急いでいたので後でやるつもりで、つい・・・」なんてことありますよね?

 こういった不安全行動が思わぬ災害の種となってしまいます。
起きてから後悔しても時すでに遅し・・・
一時の気の緩みが、自分自身はもちろん、一緒に働く仲間や誇りある職場を危険に曝してしまう事になるんですから・・・

 

 

  

 私はよくいろいろな工場を訪問させて頂く事があります。
それはお客様であったり協力工場であったりと様々ですが、見るポイントは同じです。

 それは掲示板や、設備の裏側、材料や製品置き場など・・・
だって、そういうところに会社のカラーが出ていると思うんですよ。
例えば不安全な物の置き方(物の立て掛けなど)がされていると、「大丈夫かなぁ・・・」なんて思ってしまう訳です。

 これは断言できますけど、安全管理がしっかりできていない会社は、納期などの約束事は守れないし、品質も良くありません。
もっと言えば、社員を大事にしているはずもなければ、利益だって出ようはずがありません。
これは間違いないです。

 なぜならば「土台」は安全管理だからです。
それが「根っこ」であり、それ以外にも通ずる「根幹」なんですよ。
だからそれが出来なければ、それ以外の事もダメなはずなんです。
一時的に取り繕うことが出来たとしても、本質的な改善が出来なければそのうちボロは出ますからね・・・

 

 「そこまで言うんだから、おたくは完璧なんだろうな?」
そんな声が聞こえてきそうでちょっと怖いですね。。。
実際当社が完璧なんてあり得ませんし、まだまだ改善の余地はたくさんあります。

 ただ、これからその辺りは力を入れていこうと思っています。
期も変わる事だし、ちょうど良いタイミングですからね。
やれていたのにやれなくなってしまっている事、やりたくても出来なかった事、やるべきだと分かっていたけどなかなか手が付けられなかった事、たくさんありますから・・・
来期は安全管理の取り組みも、優先的に強化していきたいと思います。 

 

 

 

 

 

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