信じる力

 

 

 連日熱戦が繰り広げられているオリンピック。
私も可能な限りテレビで観戦していますよ。
昨日の深夜から早朝にかけては、ブレイキン女子。
今大会が初めてとなるこの競技では、日本代表のAMI選手が金メダルを獲得して、初代チャンピオンとなりました。
眠い・・・けど観たい・・・でも眠い・・・
なんだかんだ言って結局朝まで観ていました。。。

昨日(今日?)はレスリングやスポーツクライミングでもメダルを取っていたみたいですし、今回も日本代表選手たちの活躍は目覚ましいものがあります。
本当に素晴らしいことですよね。
まだメダルが期待される競技は残っていますので、引き続き選手の皆さんには頑張って貰いたいものです。

そんな中、もう競技自体は終わってしまっているのですが、開幕前から私自身注目していた人物がいます。
選手ではないんですけどね・・・
きっかけは、いつだったかテレビで観た光景でした。
そこに居たのは、タイムアウトの時に「信じていますか!!」と選手たちに熱く語りかけていた外国人ヘッドコーチ。
その画面の向こうの人物に、私をとても強く興味を持つことになりました。

 

 

 トム ホーバス

 

 

 その人物の名はトム ホーバス氏。
バスケットボール男子日本代表のヘッドコーチです。
前回大会の東京オリンピックでは、女子日本代表を率いて史上初の銀メダルを獲得。
その後男子代表のヘッドコーチに就任し、48年ぶりの自力出場を勝ち取っています。

いわゆる「名将」ですね。
ただ私が興味を持ったのは、彼が選手たちに「信じて下さい!!信じて!信じて!」と熱く訴える姿でした。
命じるでも怒るでもなく、且つ日本語で「信じて!」と言い続けている外国人監督。
実績があるのは十分承知していましたが、その背景や人となりを知りたくなってしまいました。。。

 

トム氏は1967年生まれで、現在57歳のアメリカ人。
身長203cmということからも分かる通り、元プロバスケットボール選手でもありました。
NBAでもプレー経験があるそうです。

来日したのは1990年。
「仕事をしながらバスケがしたい」という理由から、トヨタ自動車のトライアウトを受けて入社したそうです。
当時の日本のバスケは実業団リーグ。
昼間は海外マーケティング部で働きながらの選手生活でした。

「例えば、会議が8時スタートだと7時50分には全員が揃う。海外ではそんなことありえない。規則正しく誠実で律儀なところが、僕のメンタリティーにぴったりだった」
と言っている通り、気質的に日本文化に合っている方なんですね。

海外の社員が本社で受ける研修の講師などの業務もこなしながら、日本リーグで4年連続得点王に輝き、NBAに挑戦。
しかしあまり出場機会を得られずに、翌年にはトヨタ自動車にプロ選手として復帰しています。
そしてその頃に日本人女性と結婚したそうです。
だから日本語が上手なんですね。。。

33歳で現役を引退してからはアメリカに帰ってIT企業に勤めていたそうですが、2010年にWリーグのコーチに就任して再来日。
それからいくつかのチームのコーチを経て、女子日本代表のヘッドコーチに就任しました。

当初からトム氏は通訳を付けなかったそうです。
「通訳がいると選手に思いが伝わらないし、選手は通訳の方を向く。私の目を見てほしい。日本人女性は心になくても“はい”という。だから本当の気持ちを確かめるために、必ず“私の目を見て話して”と言います」
チーム作りの核心はコミュニケーションにあるという考え方の人なんですね。

 

 

 術

 

 

 

 バスケットボールのコーチと会社の管理職は似ているというトム氏。
「バスケットボールチームも会社のプロジェクトチームも、ただ能力のある人を集めれば、成果が上がるわけではありません。適材適所に人を配置し、集団としてどれだけ力を発揮できる体制を整えられるかが勝負です。」
そう言うトム氏が、チーム作りの柱とするものがコミュニケーション。
それが選手との信頼を生み、全員のベクトルを合わせる為の鍵となっているんですね。

そして同時にトム氏が最も大切にしているのが「目標の設定」だそうです。
「目標を立てる時には、ライバルの強みを知り、それを上回ることを目標とすべきです。それをせずに漫然と目標を立てているようでは、奮起を促すことはできません。社員たちを心地の良い所から追いやり、上を目指させることが大事なのです。」
最近私がこのブログにも書いた「ストレッチゴール」というヤツですね。
確かに簡単に超えられるハードルでは、大した成長は期待できません。

 

 でもその高い目標を達成させる「術」がなかなか難しいんですよね。。。
どうしても「絵に描いた餅」になりがちじゃないですか?
「笛吹けど踊らず」状態みたいな・・・

「こういう目標にすると決めたから従いなさい・・・ではなく、大事なのは心から信じることです。」
自分の力を信じ、チームの力を信じ、その目標は必ず達成できると信じ切ること。
それが何よりも大事だとトム氏は言います。

確かに、そうでなければ目標達成の為に徹底的に「やり抜く」ことなんてできません。
だから彼は言い続けていたんですね。
「信じていますか!」
「信じてください!!」
って・・・

そして何よりも彼自身が選手を、チームを信じているんだと思います。
だからあれだけの熱量で訴えられるのでしょうね。
「本当にずっとコーチが信じるっていう、「トラスト」だったり「ビリーブ」っていうのを、ずっと僕たちに対して言ってくれていて。12人全員、それを心の底から信じ切れているからこそ、こういうゲーム展開でもみんなが諦めずにやれるんだと思います。」
そうチームの中心選手である渡辺 雄太選手も語っています。
「信じる力」がチームの原動力になっている証じゃないでしょうか。。。

 

 

 翻って、私たちはどうなんだろう・・・
ついそう考えてしまいます。
ストレッチゴールを設定したとして、ちゃんとそれに”がむしゃら”に立ち向かって行けているだろうか・・・
徹底的にやり抜くことをせずに、諦めてしまっている人はいないだろうか・・・
「出来る」と信じて、みんなが同じ方向を向けているだろうか・・・

そして何より、私自身がチームを信じ切ることが出来ているだろうか・・・

そうか・・・
だから私の目に、彼らが眩しく見えたのかも知れませんね。
だからトム氏に惹かれたのかも知れません。
私自身「信じる力」をもっと信じる必要があるのだと、改めて思い知らされました。。。

 

 

 

 

 

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