
今週、その前の週に開催された会議の議事録の配信がありました。
しかし一通り目を通したところ、「ん!?これどういうこと?」という項目がいくつかあったんです。
(これが各部門の責任者が集まって話し合って決議した内容?)
にわかに信じ難い内容だったので、議長である課長を呼んで話を聞いたところ、全て事実との回答・・・
そこでその会議を招集するフォーラム(社員サイトの掲示板)にいくつかコメントを残しておきました。
「何してるの?そういうことじゃないでしょうよ?」
といった感じで。。。
その課長もこのままではいけないと思っているとのこと。
「何が問題だと思うの?」
と聞いた私に、
「なんとなく緊張感が無い・・・って感じはします・・・」
と答える課長。
その後いろいろと話し合った結果、次回からはその会議に私も出席することになりました。
私は「強い現場」「強い組織」でありたいと考えています。
そして私がその議事録を読んで感じたのは「組織力が弱い」という危機感でした。
何故か。
それはその決議の一部が、私が考える「強い組織はかく在るべき」という方向に逆行するものだったからです。
そこで今回は、私の考える「強い組織」とはどういうものか、その要素について少しお話したいと思います。
チームワーク
「強い組織」とは、文字通り「組織力」の強い組織のことです。
では組織力とは何か・・・
似た言葉で「チームワーク」というのもありますので、まずはその違いから考えてみます。
組織力とは、個人的に達成困難な目的を実現する為、メンバーが協力し合うことで発揮される実行力。
メンバー個人の能力の総和を越え、1+1を3にも4にもする様なシナジーを生む為に必要なのが「組織力」です。
どれだけ有能な人材を集めたところで、組織力が無ければ「個人の能力値」の合計が組織の限界値となってしまいますからね。
一方そのメンバー間で協力し合うことだったり、円滑なコミュニケーションによってメンバー同士が連携して物事に取り組むことがチームワークになります。
つまりチームワークとは組織力を高める為の「要素の一つ」ということなんです。
だから組織力を高めるには、良いチームワークを発揮して、みんなで協力しなければなりません。
誰か一人だけがどれだけ頑張ったって、組織力を向上させることは不可能なんですからね・・・
そして逆に誰か一人でも手を抜いたり、メンバー間のコミュニケーションが乱れたりするだけでもチームワークは崩れてしまい、組織力はあっという間に損なわれることになってしまいます。
当社の最小の組織体の名称は「チーム」です。
実は私がこれを「係」とか「グループ」ではなく「チーム」にしたのは、ちょっとした意味があったりします。
それは係やグループが「属性によって分けられた集合体」を意味するのに対し、チームは「同じ目的や目標に向かって協力して取り組む集合体」という意味が内包されているから。。。
団体競技のスポーツにおけるチームなんて正にそうですよね。
所属するメンバー同士が協力しあって、同じ勝利という目的の為に努力するわけですから。
チームワークが良いだけで組織力が高まるとは言い切れません。
先述の通り、チームワークは組織力の要素の一つに過ぎませんからね。
でもチームワークが悪ければ、組織力が高まる事はまずあり得ません。
寧ろ高まるどころか、どんどん低下していってしまうのは間違いないと思います。
チームワークは組織力の根っこであり、それが良いことは前提条件です。
そしてその為にはメンバー間、同僚であったり上司と部下であったりする間の良好なコミュニケーションや信頼感、風通しの良さは必須だと言えます。
その土壌があって初めて、組織力を高めるスタートラインに立つことが出来るのです。
徹底してやり抜く
やると決めたことをやっていない、守ると決めたルールが守られない、そんなことでは高い組織力が発揮されることなんかあり得ません。
というか、そんなのそもそも組織としての体を成していないですよね。。。
弱い組織にありがちな、「笛吹けども踊らず」な状態。
その状態は、不平不満ばかりが出たり、人のせいにして責任逃れに終始したり、メンバー同士の信頼関係が崩壊したりするのを助長するものです。
やるべきことを徹底出来ない。
それはもちろんその当事者にも問題はあります。
何故そうするのか、そうしてはいけないのかを自ら考え、相応のモチベーションと熱量を持って事に取り組む必要がありますからね。
自ら考えることを放棄して、ただ言われたことだけを漫然とやっていたのでは、徹底してやり抜く事なんて出来るはずがありません。
でも問題はその当事者だけという訳ではありませんよ。
やるべきことをやっていないにも関わらず、それを見て見ぬふりする他のメンバーや、それを監督すべき立場にある管理者も同罪です。
何故ならそれは「やらないことを許容する」行為だからです。
「やっていないその人が悪い」ということだけで済ませてしまうのは、無責任なことなんじゃないでしょうか。
強い組織は「打てば響く」状態にあります。
メンバー全員がそれを自分事として捉え、自ら積極的に動き、責任感を持ってやり遂げることが出来る状態。
もし認識の齟齬などで誤った行為をしているメンバーがいても、周囲が是正を促したり、管理者が適切に指導をして軌道修正させながら業務を推進できる。
そうして決めたことややるべきことを徹底してやり抜いていくんです。
それが出来てこそ強い組織であるし、そういう組織だからこそ高い組織力を発揮できるというものなんだと思います。
徹底してやり抜くためには、「粘り強さ」も必要です。
ちょっとやってみて、ダメだったらすぐに止めてしまう・・・
少し効果があったからと言って、優先順位を下げてしまって続けられない・・・
もちろん無意味なことを無駄にやり続けるのはいけません。
適切性を適宜見直し、必要に応じて改廃することは理に適っています。
しかしやるべきことをやらずに、中途半端なままで無かったことにし、また別の決め事で上書きしてしまう・・・
これは本当に最悪なんです。
そんな風ではその組織の中に「この組織は約束事を守らなくても良い」という間違った認識が蔓延してしまいますからね。。。
何事も粘り強く、徹底してやり抜くことが出来る組織こそ、強い組織なんです。
スピード感
私自身様々な会社や組織を見てきた中で感じるのは、やはり強い組織には「スピード感」があるということです。
決めるまでのスピード、実行するまでのスピードが圧倒的に早い・・・
逆にスピード感のない会社や組織は、私には組織力が弱いように映ります。
一つは「後回し体質」。
決めるべきこと、変えるべきことがあるにも関わらず、後回しにするということは現状がそのまま続くということです。
現状よりも良くするために何かを決め、変えようとしているのならば、現状が続くということは「悪い状態が続く」という意味になります。
なのに決められない、実行できない・・・
「今忙しいから」「また今度余裕のある時にでも」などと言い訳はいくらでも出てくるでしょうが、そういう風に後回しにし続けると結局機を逸して、問題が山積みになっていくだけですよ。
弱い組織の典型ですね。
もう一つは「責任逃れ」。
これもスピード感を大きく毀損するものです。
合議を重ねてコンセンサスを得ながら進めたいのは分かります。
でも実際は、アリバイ作りの為にやっているだけのものが多い気がするんですよ。
みんなで決め、事前に大勢に了承を得ることで、負う責任を希薄化して曖昧にしようとしているだけではないですか?
「俺が責任を取るから、すぐにやろう!」
「上には話しておくから、まず始めよう!!」
こういうことが出来るのが強い組織の特徴なんだと思いますよ。
事実そうやって進めた物事の方が、結果的にうまくいくことが多いという実感もあります。
「巧遅より拙速」という言葉もある様に、ある程度は走りながら考えれば良いんです。
想定外の事も起こるし、例外的な現象にも出くわすんですから、事を進めながらアジャストした方が現実にフィットしていくものですよ。
「オーバーアナリシス(過剰分析)」「オーバープランニング(過剰計画)」「オーバーコンプライアンス(過剰規則)」この3つが日本企業の衰退の一因だと提唱している経済学者の方がいらっしゃいます。
これは「考えてばかりで何もせずに、怒られないように”事なかれ主義”に終始する」と言い換えると理解し易いですよね。
失敗したくない、責任追及されたくないという想いが強過ぎて、責任から逃げる、スピードが遅い、実行しない・・・
そうすると振り返って反省したり、失敗から学んだりすることが出来なくなるという悪循環に陥ってしまいます。
7、8割の完成度でも良いので、スピード感を持って決め、粘り強く実行してそれを徹底する。
組織力の高い「強い組織」の理想像なのではないでしょうか。
「今が最高」だと感じていないなら、少なからず「何か変えなければ・・・」と誰もが思っているはずです。
だとしたら、まず自分自身の思考や言動を変えていって欲しいんです。
上手くいかないことを環境や他者のせいにしていても、何も前進しません。
「雨が降っても自分のせい」と言っていた有名な経営者の方もいます。
私もよく言っている「自責で考える」というヤツですね。
全員がいきなりそういう思考に至るのは難しいと思います。
だからせめて、各部門を預かる管理職や責任者の方たちだけでも、そういう考えを持っていて貰いたいんです。
そうすれば私たちはもっと強くなれる。
私はそう信じていますよ。