
「技術」と「技能」。
普段は何となく使っている言葉ですが、実は微妙に意味が違います。
技術は物事のやり方や方法を表し、言語化や数値化が出来、記述や伝達が可能なもの。
一方で技能は物事を行う技量や能力を表し、経験や訓練によって個人が身に着ける能力のこと。
と、私は理解しています。
当然ながら私たちのモノづくりの現場では、どちらも必要なものです。
どちらが欠けても不完全ですからね。
そして同時に、それらは双方に影響をもたらすものでもあります。
技術的知識が不十分だと技能は身に付き難いし、技能の技術化、つまり技能を言語化や数値化することができなければ、技能の幅や奥行きを応用的に広げられないのと同時に、後進の育成や技能承継も難しくなってしまいます。
今週はそんな「技術」と「技能」に関するトピックがいくつかありました。
まあ私たちは日々挑戦、日々訓練の毎日ではありますが・・・
でもそんな小さなことの積み重ねが、成長の糧となるものなんです。。。
認定

去年の暮れぐらいからアタックしていた新規のお客様があります。
これまで私たちが携わってこなかった業界のメーカーさん。
私たちにとっては新しいことへのチャレンジです。
業種の幅を広げる活動は、ここ何年も継続し続けています。
工場の認定までは取得できていたのですが、溶接の技能者認定がまだ済んでいませんでした。
少し前に第一回目のテストピースは提出し、4名が強度試験を受けていたのですが、3名が不合格となってしまっていたんです・・・
そこで先方からも参考資料の提供を受け、作業要領を見直しての再試験。
今週私も訪問して再試験に立ち会わせていただきました。
結果は・・・
見事3名とも合格でした!!
いやぁ・・・うれしかったなぁ。。。
試験前、担当の方から
「恐らく技能云々の話ではなく、あまり慣れていない作業ってだけな気がします」
「今回NGだったら、今度訪問して作業者の方に説明しますよ」
という言葉をいただいていました。
確かに今までやったことないような試験内容ではあったんですよね。
試験材は、普段私たちがメインで使用している材料のレンジからは少し外れた板厚。
とは言え取り扱いが全く無いわけではありませんので、
「出来ないはずはないだろう・・・」
位に私は考えていたんです。
結局足りなかったのは「技術」。
つまり知識的な部分や方法論だったんだと思います。
現に参考資料を基に作業要領を見直すことで、みんな合格できたわけですからね。
今回の試験をきっかけに、また一つ、受験したみんなの技術の幅が広がったんじゃないかな。。。
あとは残すところ契約関係だけです。
まあそこは「ゴール」ではなく「スタートライン」に過ぎないんですけどね。。。
こういう新しいチャレンジを通して、更なる成長を目指していきたいと思います。
訓練

今週、あるスタッフが猛特訓していたのが非鉄の溶接・・・
一言に「溶接」といっても、素材によってやり方が色々あるんです。
ましてや当社は取り扱いのほとんど、ほぼ90%以上がいわゆる「鉄」なので、非鉄金属の溶接ができるスタッフは限られていました。
10月から新しい期になって一部人事があった都合や、今期の各セクションの活動方針もあり、今回これまで携わってこなかったスタッフが非鉄の溶接にチャレンジすることになったんです。
まずは私自身が作業方法を説明。
実際に製品を一つ仕上げて見せ、作業のポイントも教えました。
ただ、あとは訓練で身に着けるしかありません。
失敗してもいいんです。
リカバリーはいくらでもできますし、とにかく「習うより慣れろ」で、数をこなして経験を積むことが技能を習得する最短ルート・・・
時々様子を見てアドバイスはしましたが、二日目にはそれっぽく出来ていた感じ。
なかなかそればっかりをやっているわけにはいかない環境の中、製品からは本人が色々と工夫しながら、考えてやっているのが見て取れました。
うん、たぶん大丈夫。
元が0だから伸び代しかありませんしね。
やればやるほど上手くなると思いますよ。
そうやって一歩ずつ、技能者としてのステップを踏んでいけばいいんです。
技術も技能も、どちらが欠けても成り立たないのがモノづくり。
どちらもバランスよく身に着けることが大切なんです。
そしてそれが高いレベルに達すれば、それはその人にとっての強力な武器にもなるし、一生失うことのない財産にもなるんです。
だから磨けるだけ磨いた方がいいんですよ。
そうしたらどんな素材だって輝くんですからね。
その上で、それを次の人に受け継いでいって欲しいんです。
それがチーム力の向上に繋がるし、引いては会社全体の成長にも直結するのですから。
その為にも、まずは何事にもチャレンジしてみましょう。
失敗してもいいんです。
っていうか、最初は失敗して当たり前。
その一つ一つの足跡は、踏み出したその一歩の後ろにしか残らないものですからね。