評価

 

 

 9月が本決算の当社にとって、4月は下半期のスタートです。
ということは、半期毎で設定している目標だったり様々な活動計画なども、新たに策定したものに切り替わる時期になります。
スタッフのみんな(特に管理職の皆さん)にとっては、嫌な時期なんじゃないでしょうか。。。

 期末から期首にかけては、前期の実績を分析して目標を設定したり、その分析結果から課題を抽出して活動計画を練ったり・・・
(仕事にならんよ・・・)
そんな声も聞こえてきたりしますが、いやいや、それこそが管理職の皆さんの「仕事」ですからね。
 恐らくみんなその作業が嫌なわけじゃないんですよ。
何が嫌かって、私の「ダメ出し」が嫌なんじゃないでしょうか。。。

 だって作って終わりじゃないですから、
「ん?この目標値の根拠は?」
「どんなシナリオで目標達成に向かうの?」
「これはちょっと具体性が無いんじゃない?」
「もうちょっと掘り下げないと、”原因”にアプローチ出来てないよ?」
「これって後で振り返った時、どうやって達成度を計るの?」
などなど・・・
 いや私だって意地悪で言っているんじゃないんですよ。
どうせやるなら、実行性とか有効性のあるものでないと、「絵に描いた餅」になっちゃうじゃないですか・・・

 そしてそうやってみんなが苦しんでいる中、私もこの時期はあんまり好きじゃない仕事をやらなければなりません。
そう、「考課」の時期なんです。。。

 

 

 考課

  

 毎年4月は昇給の月。
充分ではないかも知れませんが、一応ずっと昇給はし続けています。
そしてその昇給の根拠となるのが、「考課」というもの。

 ああ、誤解があるといけないので言っておきますが、昇給が嫌だから「あんまり好きじゃない仕事」ということではないですよ。
「人に点数を付けること」自体があまり好きじゃない・・・という意味です。

 

 で、その考課がまあまあ大変なんです。
全社員分、それぞれ2種類の考課を行います。
 基本は課長職以上で考課を行いますので、多い人だと課長、部長、工場長、私と4人で採点し、平均点の合計が考課の得点になります。
だからそれなりに時間も掛かるんですよ・・・
「考課期間の良かった点」「改善して欲しい点や成長を期待すること」などのコメントも入れなければなりませんしね。

 その得点から5段階評価をして「号俸」が決まり、それによって給与(昇給額)が決まるというシステムです。
例えば評価が「A」であれば2等級上がって「〇〇号俸」だから〇万〇千円・・・みたいな感じ。
給与の金額に直結しますので、採点する方も当然真剣勝負。
だから私の方も精神的に疲れてしまうんですよ。。。

 

 基礎考課

 

 2種類の考課の内、1種類は「基礎考課」というものです。
これは基本給を構成する1つである「基礎給」の号俸を決定するために行うもの。
こちらは「職階」によって考課項目が変わります。

 職階は1~5階級まであり、「1:新入社員」「2:上級社員」「3:リーダー/主任」「4:課長」「5:部長」といった具合です。
当然要求されるものが違いますので、考課項目も違ってくるというわけ。

 例えば職階1「新入社員」の考課項目では
「仕事を遅滞することなく、計画的に定められた期日までにやり遂げたか」
「与えられた仕事以外でも必要に応じて他の人を助け、協力して仕事を進められたか」
「職場又は仕事の基本ルールを正しく理解し、組織の一員として遵守していたか」
のような項目である一方、職階4「課長」の考課項目は
「的確・迅速な指示、適切な連絡調整を行い、業務の円滑な進行を推進したか」
「発生した問題の内容、波及する程度や範囲を考慮した、妥当な意思決定ができるか」
「部署の成果を正当に評価し、部下の能力・性格・業績を把握の上公正な評価をし得るか」
の様な内容となります。

 主に「規律性」「責任制」「協調性」や「判断力」「指導力」といった、仕事に取り組む姿勢とか資質を評価して採点する基礎考課。
職階関係なく40項目、1~5点で採点していきます。
そして合計点が〇〇点~〇〇点は「S」、〇〇点~〇〇点は「A」という感じで、最終的に5段階で評価されるシステムです。

 

 職務考課

 

 もう一つの考課は「職務考課」です。
これは「職能給」という給与の号俸を決定するもので、直接的な職務遂行能力を評価します。
なので職務考課の項目は担当職種ごとに違っており、「営業」「技術」「溶接」など部門ごとに分かれています。

 項目はどの職種も35項目ですが、職階1は25項目目までの評価、職階2は28項目まで、職階3は31項目までという感じで、職階が上がるにつれて評価項目が増えていくシステム。
言ってしまえば「職階3の人は、1と2までのことは当然できていますよね・・・」ということです。

 例えば「総務」の職務考課では、
職階1の項目に「入退社の手続き、各種関係書類の管理ができる」という項目があり、
職階2の項目では「小口現金の管理ができる」という様な内容で、
職階4になると「主体的に採用活動及び社員教育活動を企画立案し、運営、展開する能力がある」みたいな項目が出てきます。

 これを基礎考課と同じく5点満点で採点し、平均の合計点でS~Dランクに5段階評価。
評価の基準は「1点=上級者指導のもと、経験をほとんど必要としない基本作業を遂行出来る」から「5点=人に指導できる」という指標となります。

 

 どちらの考課も、どの評価者がどの項目に何点を付けたのか・・・が分かるようになっていますし(採点時には他の評価者の点数は分かりませんが)、最終的にこの考課表は本人にも渡します。
だから評価する方もそれなりにプレッシャーがかかるんですよね。。。

 

 

 ギャップ

 

 仕事の評価は自分でするものではないと考えています。
「私はこんなに頑張っている!」という自己評価は、自己満足に過ぎないかも知れませんよね。
そういう考えが強すぎると、「そんな私を正当に評価しない上司(会社)が悪い!!」なんてネガティブな思考に陥ってしまうものです。
 あくまでもその人の仕事を評価するのは、「他者」である上司だったり顧客。
だから自己評価とギャップがあるのは当たり前のことなんですよ。

 大事なのは自分の現在地を知り、目標とするゴールや在るべき姿、考課という点で言えば会社に要求されている自分の能力や成果とのギャップを埋める作業です。
自己採点では「4点はあるだろう・・・」と思っている項目が、採点では「2点」になっていることもあると思います。
そこで(なんでだよ!!)なんて腐ってしまうのではなく、「何が足りなかったのか、どうすれば評価を上げられるのか」を考えて欲しいのです。
そこに要求事項は記されていて、誰がどう評価しているのかは分かるはずですからね。
 もちろん逆に自己評価より高い点の時もあるでしょう。
そこは自分で思っているよりも「出来ている」ということですから、もっと自信を持ってもらえれば良いんです。
不得意だと思っていたことでも、既に要求を満たしているという事ですから、更にそれを磨いていけば、ひょっとしたらその人の”強み”になるかも知れませんから。。。

 

 

 
 ということで、今回は昇給考課についてでした。
もうやりだして十年以上は経つのかな・・・
今回は変えていませんが、何年かに一度は考課項目を見直して、少しずつブラッシュアップしてきました。
だってみんなの成長によって会社も成長していますから、要求事項も徐々にレベルアップしていかなければなりませんからね・・・

 これまではやってこなかったですが、今後は「多面考課」もやってみようかな・・・なんて思っています。
部下が上司を評価する「360°評価」というヤツです。
なかなか難しそうではありますけどね。

 実際私の知っている会社では、部下からの評価の低下を恐れて、上司が言うべきことが言えなくなってしまった・・・なんて話も聞きますし、逆に上司側が考課の結果に腹を立てて、理不尽な報復人事を強行した・・・なんて会社もあったりするみたいです。
 でも上手くやれば、今までにない新たな「気付き」があるような気もするんですよね。。。

 まあやるとしても1年後です。
じっくり考えてしっかりと制度設計しないと、今ある「良い部分」が崩壊してしまっては本末転倒ですから、慎重に検討していきたいと思います。
 でもやるとなったら、もうその評価期間なんですよね・・・
課長職以上の皆さん、楽しみにしていてくださいね。。。

 

 

 

 

 

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