ラスト

 

 

 2022年9月23日、当社が受け入れていた最後のベトナム人技能実習生2名の実習期間が満了となりました。
これで来週から当社にはもう外国人技能実習生は一人も在籍していないことになります。
思えば1期生を受け入れたのはもう十数年前のことでした。

本当に時が経つのは早いですね・・・

 一度廃業された業者さんの中国人技能実習生を受け入れたことがありましたので、それも含めると今回送り出すのは7期生になります。
 1期生はタイ君とタン君とティエム君。2名は期間満了間近になって失踪してしまったので、無事送り出せたのはタン君1名でした。
 2期生は転籍してきた宋君と王君。王君はサボり癖が抜けずに離脱してしまいましたので、こちらも宋君しか送り出せませんでした。
 3期生はスアン君とヴー君とチー君。ヴー君が窃盗事件を起こして逃走してしまいましたので、やはり無事に送り出せたのは2名。
 4期生はアン君とヴー君とチュン君。アン君は無断帰国などで実習修了してしまいましたので、結局最後まで頑張れたのは2名だけ。
 5期生はフン君とクエン君。フン君は「副業が軌道に乗ってきたから・・・」という理由で自主的に実習終了。クエン君は素行不良で強制終了。5期生は1名も実習期間を満了することは出来ませんでした。。。
私がもう技能実習生の受け入れを止めようと決意したのはこの辺りです・・・
 6期生はトゥー君とクオン君。彼らは初めて2人揃って送り出すことのできた実習生です。聞くところによると、2人は特定技能で在留期間を延長し、今も日本国内でモノづくりに励んでいるとのことです。
 そして今回送り出しすことになったのが、7期生となるヴィン君とロン君。彼らも「特定技能」での延長を希望していたので帰国はせず、今後は別の会社で働くことになるそうです。

 

 7期生

 

3年前、入国したてのヴィン君(左)とロン君(右)

 

 退居の日は朝からあいにくの雨。
しかも台風の影響もあって、やや強めの雨模様でした。
 自分たちで買ったものはそれぞれで処分してもらいましたが、会社で準備した家電や備品はこちらで処分しなければなりません。
去年同様に一旦会社の方へ搬入して、後日業者さんに引き取ってもらう事にしました。

 前回の片付けがなかなか大変でしたので、今回は営業スタッフ2名と総務スタッフ1名にも応援要員として来てもらうことになっています。
(雨は嫌だなぁ・・・)
なんて思いながら、2tトラックと営業車で実習生の待つ寮へ。
(これで最後なんだな・・・)
ほんのちょっとだけ、感傷的な気分になったりもしてしまいます。。。

  

 

 板金加工で実習をしていたヴィン君。
主にベンダー(プレスブレーキ)を使用して、鉄板を曲げる作業に当たっていました。
 最初の頃は自分本位な言動が目に付いたのですが、最後は周りのスタッフともよく協力して仕事をすることが出来る様になりましたね。
「今日は疲れたから帰ります」なんて言っていたのが別人みたい。。。
「みんなを助けたいから」とギリギリまで仕事に汗を流している姿勢から、(彼もまた何かを当社で学んでくれたんだな・・・)と感じることができました。
 それでもまだ主張が強過ぎて、時に相手に誤解を与えてしまう事もありましたね。。。
つい先日も通勤中のトラブルで揉め事になり、警察を呼ばれて・・・なんてことがあったくらいです。
(大丈夫かなぁ)なんて少し心配にはなりますが、次の会社は当社6期生のクオン君が在籍している会社とのことですので、それを聞いて少し安心しました。

 もう一人のロン君は、溶接作業の実習をしていました。
彼は写真からも全力で伝わると思いますが、一言で言うと”超いい人”。
真面目で優しく、とても穏やかな性格で、本当に素直な人物でした。
強いて言えばちょっと人見知りと言うか、引っ込み思案でおとなし過ぎるところがありますが、話しかけるといつもにっこりとはにかんで笑う顔がとってもチャーミングです。
 ロン君と言えば、忘れられないのは3年半前の面接ですね。
SkypeでWEB面接を行ったのですが、超緊張している様子が画面越しにビシバシ伝わってきて・・・
こちらはそれを見て思わず笑ってしまっていたのですが、次第にとロン君も少し緊張が和らいできた様子で、少しずつ笑顔も見せる様になりました。
 面接後の面接官協議では、ほぼ満場一致でロン君が採用となったと記憶しています。
それくらい良いキャラクターなんですよね。
彼ならたぶん、どこでどんな仕事をしても、きっと多くの人に可愛がられるんじゃないかな・・・なんて思います。

 

 

 実習生の2名は既に有給を取っていたので、部屋はまあまあ片付いていました(広くなった分”G”がノビノビと徘徊していましたが・・・)。
 雨が降りしきる中、みんなで一気に荷物を積み込み、2往復で荷物の搬出は完了です。
びしょびしょに濡れてしまいましたが、みんなで一気にやりましたので、所要時間は1時間くらいだったでしょうか・・・

 最後は会社に寄って、3年間お世話になったみんなに挨拶。
残念ながら、日本語能力は今までの全実習生の中で一番下のレベルといった感じですが、それでもみんなと笑顔で話したり、連絡先を交換したりしていましたね。
 その後最寄りの駅まで乗せていき、今回も無事に2名揃って送り出すことが出来ました。
 

 私自身、どうしても感情移入してしまうと辛くなるので、ある時を境に彼らとは意図的に距離を取る様にしていました。
3年で居なくなってしまう子達だから・・・と、あまり深入りせずに仕事以外のことも出来るだけ触れない様にしていたんです。
 ん~・・・
それでもやっぱり、多少は淋しいものですね。。。

 駅前で最後の挨拶を交わし、二人と握手をしました。
3年前に迎えに行った時の握手とはまた違う、力強くて、同時に”想い”のある握手でした。
(おぉ・・・)
一丁前に、職人の手になっているじゃないですか。。。
(あぁ、きっとこの子達なら大丈夫だろう・・・)
そう思いながら、ホームへ向かう背中を見送りました。

 

 

 彼らの旅立ちは、同時に私たちのリスタートでもあります。
3年間で既に欠かせない”戦力”となった彼ら。
彼らが居なくても、当然これまで通りに遜色なく仕事を回していかなくてはなりませんからね。
 どうも周りの話を聞くと、技能実習生に依存してしまって
「彼らが居ないと仕事が回らない」
「実習生がやらないと赤字になってしまう」
そんな企業さんが多いんですよ。
実際そうした環境から抜け出せなくなってしまい、気が付けば社内は外国人実習生だらけ・・・そんな会社も多いんじゃないでしょうか。

 私はそうなりたくなかったんです。
言い方がおかしいかも知れませんが、やはり製造の現場は「強く」在るべきだと思うんですよ。
人がいないからって、安易にそれに頼ってしまっては、現場が「弱く」なってしまう・・・
そう感じたので、まずは無理やりにでもそこから抜け出そうと決めたんです。
その前にもっと「やるべきこと」があるはず・・・そう信じたいんですよね。

 先日ご来社されたお客様が、「日本のモノづくりに誇りを持っていたいけど、どの協力工場さんに行っても、結局現場で作業しているのは派遣の外国人か外国人技能実習生ばかりなんですよねぇ・・・」と、半分冗談ぽく嘆いていらっしゃいました。
 ああ、一応誤解があるといけないので申し上げておくと、「外国人労働者がダメ」とか「日本人の方が優れている」とか、そんな話じゃないですよ。
当社にも懸命に頑張ってくれている外国人労働者は数名いますし、日本人でもダメな人はいくらでもいます。
そういう話ではなく、”理念”的な部分の話です。
 本当の意味での「強い現場」を作る。
そういう部分で、私たちにとっても、ここが新たなスタート地点になるのだと思っています。

 

 

 最後にヴィン君、ロン君、とにかく体には気を付けて、仕事でもまずはケガなんかしない様に、これからも頑張ってくださいね。
そして次の仕事でも、当社で学んだことを活かしながら、引き続き厳しく、でも楽しんでモノづくりに励んでください。
2人が更にもう一皮むけて、良い職人になれる様に陰ながら応援しています。
また近くに来ることがあったら、気軽に寄ってくださいね!!

 

 

 

 

 

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