
突然ですが・・・
通常の人事異動は、4月か10月に行うのが常です。
もちろん急な欠員の発生や、急激な業務量の変化などで緊急措置的に異動をすることは極稀にありますが。。。
基本は事前に本人の意向やそれぞれの部門長の要望などをヒヤリングして、それなりに時間を掛けて練っていくものです。
しかし昨日、緊急という訳ではありませんが、今月の22日付けで人事異動の辞令を発令することになりました。
部門長や一部の該当者とは少し前にそんな会話をしていましたが、時期的にいつに無いタイミングでしたので、この辞令をもって初めて知ったスタッフは少し驚いてしまったかもしれませんね・・・
今回はその”狙い”について少しお話ししたいと思います。
弱い部分の補強とリバランス
この数年、コロナ禍ではあったものの、毎年製造スタッフについては増員をしてきました。
それはその後の「回復期」に向けた戦力補強という意味で行ってきたものですが、同時に忙しくなってからではなかなか良い人財との縁を得るのも難しく、またある程度戦力化する為には育成の時間も必要になると考えたからです。
直近の求人活動では期待した成果は得られなかったものの、それでもこの何年かで入社し、今では十分な戦力として活躍してくれているスタッフは何人もいます。
一方で間接部門の方は、ずっと人数も人員構成も変わらずにここまでやってきました。
営業部門を新たに立ち上げはしたものの、管理部門や技術部門までは手が回らなかったのが実情。
まあ製造業ですので、間接部門は極力最小限の構成で回したいという思いも、そもそもありましたけど・・・
しかし忙しくなってくれば、相応に管理工数が不足するのも必然です。
今回はそこにメスを入れようというのが目的の一つでした。
ただ今回は、新たに人員を増やしてその管理工数を補うことは考えませんでした。
求人に期待できないということもありますが、社内から適材適所に人材を再配置し、工数不足の部門ではその増員効果を短期で最大化することを狙っています。
今回製造部門から管理部門に異動となったスタッフがいますが、その製造部門での経験や知識は、きっと管理部門でも遺憾なく発揮されるものと期待しています。
多能工化とリスクマネジメント
業績は否が応にも好/不況の波が少なからずあり、更にお客様の要求事項も日々変化します。
そういった変化に柔軟に対応していくことは、将来に渡って永く事業を継続していく上では必要不可欠です。
その点において、私たちは「多能工化(マルチスキル化)」という大きなテーマを持っています。
もちろん「一つの技能を徹底的に磨きたい」という想いが強ければ、そこを無理強いするつもりはありませんし、それもまた一つの価値観として尊重します。
ですが「この人にしかできない仕事」だったり「この機械はその人しか操作できない」みたいなケース、或いは「その作業しかできない人」ばかりでは、変化への対応という意味ではリスクは高まります。
言い換えるとこの多能工化は、作業の標準化や汎用化などと併せて、変化への対応力を高め、その変化に対するリスクの低減に資するものだと考えています。
加えてこの多能工化は硬直した組織の活性化や、業務量の平準化にも効果的で、いわゆる「働き方改革」にも良い作用が働くはずです。
そしてそれは製品の品質や業務の質をも高めることにも直結するものなのだと考えます。
今回異動となった方々が、それぞれにまた新しい職場で新しい仕事にチャレンジし、幅広い技能や知識を得ていってもらえると嬉しいですね。
それがきっと、当社が次のステージにステップアップするときの大きな原動力になるんだと、私は信じています。
今しかない!!
とは言え「なぜこのタイミングで!?」とは思われるかも知れませんね・・・
ただ私としては、これは「今だからこそ」というタイミングなんです。
事実6月ごろから業務量が急激に増え、10月までは社内もにわかに混乱していましたので、正直「それどころじゃない・・・」という感じでした。
そんな時期に人を動かすことは、更に混乱を深めるだけですからね。。。
しかし11月に入り、業務の方も少し一息つけるレベルに落ち着きを取り戻してきました。
そこで私なりに今回の社内の混乱に対する原因を分析し、対策をとる事にした訳です。
その対策の一つが管理部門の強化でした。
管理業務の”質”を早急に高めることで、次に忙しくなる前にそれに備えた態勢を整えようというわけですね。
そういった時に私が最も大切にしているのは「スピード感」です。
今が「良くない」状態である場合、一刻も早く「良い状態」に変える必要があるはずですよね。
でもその時、「最高に良い状態」を目指すあまりに時間を掛け過ぎてしまっては意味がないと思うんです。
だってそこに時間を掛けてしまうと、それまでの間「良くない状態」が継続するということですよね?
だから時に「あとは走りながら考えよう」くらいのスピード感で、ことを進める必要があると思っています。
もちろんあまりに稚拙、無計画なものを無理に推し進めるのも良くないですけど・・・
そこら辺のバランス感覚は、私なりに持っているつもりですから。。。
でも突然「昇格」を告げられたとあるスタッフは、結構驚いて戸惑っていました・・・
その点については私も申し訳なく思いましたが、でもこれは「今だからこそ」であり、もっと言えば「今しかない」タイミングなんです。
それに私は「出来ないかもしれない」人にはそんな要求はしませんからね。
今回昇格や異動を任命された人たちは、それが「出来る」ということを私は知っているんです。
「越えられる人にしか壁はやってこない」なんて言うじゃないですか。。。
最初は不慣れなこともあって大変だと思いますが、これをチャンスだと思って頑張ってみてくださいね!
経営者≒監督

こういう「人事」について考えていると、ふと昨晩のサッカー日本代表に思いが至りました。
辛うじて勝ってはいますが、その選手起用などには批判が集まり、未だに監督の解任論が渦巻いていますよね・・・
- 選手のコンディションや直近のクラブでの調子を無視した、実績重視のスタメン起用
- 局面を打開するためにしては遅すぎる選手交代のタイミング
- メッセージ性を欠いた、意図がピッチの選手に伝わらない選手交代 などなど
結構辛辣な意見が飛び交っていますよね・・・
私はここで批判するつもりはありませんが、昨日も観ていてイライラが募ったのは事実です。。。
でもこれって「硬直した組織」「スピード感の無い組織運営」「目的や在るべき姿が共有できずに迷走する組織」と言い換えれば、ダメな企業体系にも通ずるものがある様な気がしてきます。
そしてそういう時こそ、トップの決断が必要なんだと思うんですよね。
「チャレンジを善しとする風土」や「スピード感」、「共通のゴールに向かって邁進する強力なチームワーク」・・・
私たちはそういったものを大切にしながら、みんなと一緒に成長していける様な会社でありたいと思っています。