
5期生となる外国人技能実習生の技能実習が修了しました。
正確には来週の20日まで籍はありますが、今週から有給を取っていますので出勤はしていません。
三年間、本当にお疲れ様でした!!
2018年に配属となった彼ら。
一言で言うと、今までの実習生で一番「お利口さん」だった印象です。
先輩となる実習生に恵まれなかった(一人は素行不良で実習打ち切り、一人は「副業が軌道に乗ってきたから」という理由から帰国)にもかかわらず、それぞれしっかりと技術を身に付けることができました。
こんなコロナ禍の時期ですから、いつもの様な送別会を開催できなかったのはとても残念ですが、これからも引き続き頑張っていってもらいたいですね。
板金 クオン君
彼らは初めてSkypeで面接を行った実習生です。
初めて本人に会った時、思っていたより線が細くて背が小さいので(体力的に大丈夫かな・・・)なんて心配になってしまいました。
実際に実習の初日には「おなかが痛い・・」と言って病院に行きましたね。。。
どうも生真面目で繊細な性格からか、新しい生活に慣れるのに少し時間が掛かっていたみたいです。
最初はどうなる事かと思っていましたが、最終的には実習生たちのリーダー的な立場となって、みんなをまとめてくれる頼もしい存在になってくれました。
仕事の面では器用に要領良くこなすタイプではなく、コツコツと慎重に粘り強く仕事を進めていく感じ。
手順をしっかり守り、正確な仕事に徹する意識がとても強かったからか、今までの技能実習生の中では一番「不具合」が少なかったのは彼だったと思います。
すぐ上の実習生の先輩からの引継ぎは上手くできませんでしたが、指導員や他の社員のみんなと上手くコミュニケーションを取って、難しい作業もこなせる様になりましたね。
人の嫌がる様な仕事にも率先して取り組もうとする姿勢は、社員のみんなのお手本となるものでした。
「仕事はチームでするものだ!」と日々私は話していますが、そういったこともしっかり学んでいってくれたんだと思っています。
そうそう、確か彼は日本に入国してから子供が生まれたんでした。
だから自分の子供をまだ一度も抱いていないんですよ・・・
それもあってか、一時期はホームシック気味になっていたこともありました。
コロナの影響ですぐには帰国できないみたいですが、早く家族に会えると良いですね。。。
溶接 トゥ君
いつもニコニコ笑っていた印象のトゥ君。
とても優しい性格で、私が休憩時間に現場に行ったりすると、いつもお菓子を分けてくれましたね。
彼もすごく真面目で几帳面な印象でした。
面接の際に、私が「もしあなたの先輩や上司が悪い事をしていると知った場合、あなたはどうしますか?」という質問をした時、とても困った様子だったのを今でもよく覚えています。
素直で実直な彼は、社員のみんなからも可愛がられる「愛されキャラ」だったと思います。
仕事の面では、こちらもやはり実習生の先輩と反りが合わず、最初の頃は苦労していました・・・
溶接という仕事は、日本人同士でも言葉で伝えるのが難しいような「感覚」的な部分があるんですよ。
そういったいわゆる「カンコツ作業」であるが故に、教えるのも教えられるのも大変なんです。
お世辞にも「センスがある方」ではなかったんですが、最終的に一人前の溶接や仕上げの技術を身に付けることができたのも、やはり彼の「素直な性格」の賜物だったんだろうと思います。
彼の素直な性格を表したエピソードがあります。
彼が不具合を起こしてしまい、原因調査の為に工場長と話をしていた時、涙を流してしまったことがあったそうです。
もちろんパワハラまがいの高圧的な追及をしていたわけでも、吊し上げや責めを課す様な行為があったわけでもありません。
後にそれは自分自身に対する「悔しさ」からくる涙だったと聞きました。
それって自分の仕事に対する「誇り」の裏返しですよね。
彼が当社での三年間の技能実習を経て、「自分の仕事に誇りを持つこと」が出来るようになったのであれば、それだけですごい成長なんだと思います。
これからどんな仕事をしたって、きっと上手くやっていけるに違いないと思っていますよ。
最後の技能実習生
当社が新たな技能実習生の受け入れを停止すると決めていることは、以前このブログでも書きました。
誤解が無い様に言っておくと、それは技能実習生である彼らがどうのこうのという話ではありません。
私はこの外国人技能実習制度に関わる行政や関連団体の姿勢、またこの制度そのものに強烈な不満や疑念を抱いているからです。
だからむしろ彼ら自身は「被害者」なんだとさえ思っています。
先日アメリカの国務省も、日本の外国人技能実習制度について「国内外の業者が[外国人技能実習制度]を外国人労働者搾取のために悪用し続けている」として問題視しているとの報道がありました。
本当にコレ、問題だらけなんですよね。
真面目にやっているこっちがバカバカしくなってしまいます。。。
当社にいる実習生は、6期生となる最後の2名が残っているだけです。
そして気づけば彼らの技能実習も残り1年・・・
一つでも多くの技術を身に付け、少しでも多くの知識や経験が得られる様に、私たちも最大限サポートしていきたいと思っています。
そして直接的な技能だけではなく、当社の考え方や仕事の進め方、問題解決の思考法などからも、学ぶべきものがあるとすれば得ていって欲しいと思います。
そして今回の5期生たちも含めて当社を巣立っていったみんなが、当社での技能実習によって得たものを何か一つだけでも活かして、今後も活躍していってくれることを願っています。
追伸
クオン、トゥ、手紙ありがとう。
ベトナムに帰ってからも、体に気を付けて頑張るんだぞ!
私はもう君たちの社長ではなく、日本人の友人です。
この前渡した名刺にアドレスがあるから、いつでも連絡しておいで。