
以前少し触れましたが、この4月から新しいチームを発足させました。
と言っても、別に特別なプロジェクトが始まるってわけじゃありません。
昨年良い人財と縁があったのをきっかけに、この何年かの念願だった「営業部」を発足させる事になったのです!
大手メーカー様の一次下請けという立場でありながら、営業部門を置いていなかった当社…
新規開拓や既存のお客様の新規案件、技術的打ち合わせから見積もりなどは、今まで私の方でこなしてきました。
しかしいったん流れだした後は私の方でのフォローもままならず…
まあ周りを見渡せば、当社くらいの事業規模の製造下請け企業で、営業スタッフを置いている会社はあまりありません。
でもずっとその必要性は感じていたんですよね…
一部のお客様からは「もっと顔出してよ!」なんて言われることもありましたし。
営業部を立ち上げる”狙い”はいくつかあります。
まず一番の狙いは「お客様の声をちゃんと社内に届ける」ということです。
今までは生産管理課という部門が窓口として対応してきていましたが、それが状態としてあまり良くないと感じていました。
生産管理課は協力工場や社内製造部門の日程管理などを主に行うのですが、この部門が生産側に近い視点でお客様と直接折衝などをしてしまうと、そこから社内へお客様の声が届きにくくなってしまいがちでした。
お客様の要望をまずは承り、その先の調整業務は社内のスタッフ同士でやるべきではないか…
そう考えていました。
だから新しい営業スタッフには、「お客様と向き合って対峙するのではなく、お客様の側に立ってその声を社内に向けて発信する姿勢で仕事をして欲しい」と要求しています。
それは我々がお客様にとっての最高の”パートナー”でありたいという姿勢の表れでもあります。
同時に「お客様の声を社内に届ける」ということは、当社の業務品質向上にもつながると考えています。
これは製造業に限った話ではないですが、技術職に就く人はよく「自分はこの腕一本でメシを食っている」みたいな独り善がりな”自惚れ”を持ちがちなんです。
お客様もその技術に信頼を託して実際にオーダーして下さるわけですが、「つくってやっている」みたいな”思い上がり”は本当に危険です。
どんなに美味い料理を出すレストランでも、お客さんが来てくれなければ潰れます。
だからお客様に喜んでもらって、「また来たい」って思ってもらうことが必要なはずですよね。
当社のスタッフには、ちゃんとお客様の方を向いて仕事に取り組んで欲しいんです。
その為には、お客様の「良い声」も「悪い声」も、ちゃんと社内に届ける必要があるのだと思います。
もう一つの狙いとしては「生産負荷をコントロールする」ということです。
お客様からのオーダーは、こちらの都合などお構いなしに入って来ます。
ほぼすべてのお客様が電子発注ですので、一度当社が発注先に登録されれば、自動的にオーダーが舞い込んでくることになります。
もちろん生産管理部門で、受注状況を見ながら随時生産負荷の切り崩しを行ってはいました。
でもそれがなかなか上手くいかない局面もあり、オーバーフローしてしまうこともしばしば…
そこで今後は生産管理課が、より「生産を管理する」方向へ注力していく必要が出てきたわけです。
2年前に工程管理の専用ソフトを導入し、精度高く生産負荷の平準化ができる環境を整えたのもその準備…
これからは生産管理部門が本来の業務に専念できる様、業務の一部であった窓口業務を切り分け、そこを営業部が担うことになります。
そうすることで、逆に余力がある日程の生産枠を営業部が埋めてくる…なんてことも出来るようになるかも知れませんね。
また何よりこの生産負荷のコントロールは、当社がこの数年取り組んできた「働き方改革」を強力に推進する一手にもなります。
もちろん「売り上げ・利益の拡大」も大きな狙いです。
当然これまでも製造・管理部門共に、売上予算達成に向けて職務に励んではいます。
でもそれは”降ってきた”注文をこなしているだけなんです。
繁忙期はただ口を開けて待っているだけで目標達成できました。
しかし今はそういう状況ではありません…
より積極的に営業活動を展開して、「仕事を確保する」必要があります。
まああまりガツガツいくのは当社のスタイルではありませんけどね…
併せてこの数年課題としてきた、向け先業種の偏りの是正にも取り組んでいきたいと考えています。
取引先は複数社であっても、生産品目をセグメント別にみると著しい偏りがあります。
当然同業種であれば、好/不況の波は同じようにやってきます…
これではその業界の景気動向次第で、好況期にはやりきれない程の受注の山が積み上がり、不況期には仕事を確保するにも四苦八苦…という様な状況に陥りがちです。
幅広い製造技術を誇る当社ですから、特定業種の景気動向に翻弄されることなく、安定的な売り上げ確保の為にヘッジをかけておかなければなりません。
営業部門の活動を通じて、新しい分野にも積極的に切り込んでいきたいと思っています。
今までも何度か営業部門を設置しようとチャレンジをしてきました。
でもなかなか上手くいかなかったんです。
だから今回はその反省を踏まえて、慎重に、丁寧に進めていこうと思っています。
発足メンバーの二人とも、できるだけコミュニケーションを密にしながら…
そりゃあ慣れないこと、分からないことばかりで大変だとは思います。
当社にとっても”新しいこと”である以上、敷かれたレールはありませんからね…
でもだからこそ自分たちで進路を決めていくことができることに、大きなやりがいを感じて貰えればと思います。
そしてこの4月から、私たちは「攻め」の姿勢に転じます!
想定外の荒波に揉まれてきましたが、身を屈めてやり過ごそうと縮こまってるのには飽きました…
そんなの性に合いませんからね。
何事もポジティブに、楽しんでやっていきたいと思います!