
春と言えば、人事異動の季節です。
当社は転勤などはありませんが、異動や昇格、あと新たなチームの立ち上げなどがこの春に予定されています。
業務の最適化に向けた再編や引継ぎなんかもあるので、なんだか毎日バタバタしています…
新たなチームとは「営業部」のことなんですが、この辺りはまた後日触れていきますね。
当社は従業員40人弱の小さな会社です。
私が入社したときは4人でしたので、これでも10倍くらいにはなっているんですけど…
そしてちょうど今くらいが、組織としての「過渡期」なんだとよく言われます。
一般的に10名くらいまでの会社であれば、経営者のカリスマ性やある種のワンマンが奏功するんだとか。
確かに振り返るとそんな気がします。
意思決定や周知のスピードも速いですし、ぐるっと見渡せば全部に目が行き届きますからね。
更にスタッフが増えて25名前後ともなると、やはりだんだん目が行き届かなくなります。
組織的に仕事を進める必要性が出てくるので、マネージャーや番頭さんを担う人物が必要です。
当社で言えば、今の部長や工場長といったところ。
事実彼らの活躍無しでは、今の当社はないだろうと思っています。
そして今の当社と同じくらいの40名前後。
これぐらいの規模感だと、ミドル層の育成がキーとなってくるそうです。
当社で言えば課長やチームリーダーという位置づけ。
彼ら(彼女ら)の仕事如何で、組織としての成果が左右されると言っても過言ではありません。
そして組織として成長し、50人、100人となる過程で成熟していくのだそうです。
この春の人事では新しい課長やチームリーダーが誕生します。
そこで今回は、新しいリーダーに求められる資質などを書いていきたいと思います。
チームリーダー
当社でのチームリーダーとは、一般的な会社では「係長」の様な位置づけです。
基本はメンバーが6名以上になると「課」となります。
なので「チーム」とはそれ以下の人数の組織で、そのチームを先導するのがリーダーの役割。
上司(課長)のサポートや課員とのパイプ役を担うと同時に、プレイングマネージャーとして実務でも引っ張ります。
総合的な知識や経験に加えて技術、能力的にも優れている必要があり、指導をする場面や部門内の調整の為に高いコミュニケーション能力も身に付けていかなければなりません。
提案や改善活動の場面では上司に対して提言をする折衝力や、自ら率先して行動する実行力も問われます。
もちろん最初からそのすべてを身に付けている人なんかいませんよ…
でも新しくチームリーダーとなる方は、その辺りも踏まえて職務に当たってくださいね。
課長
当社での課長職は、6名以上のメンバーが在籍する部門の責任者として、課のマネージメントを行うのが主な役割です。(品質管理や経理部門などの専門職は、5名以下でもその職務の専門性から課長職を置くことがあります)
そしてこの課長がチームリーダーと大きく異なる点は、プレイヤーとして実務で成果を上げるのではなく、マネージに徹して課員やチーム全体をコントロールして成果を上げることを求められることです。
なのでチームリーダーより更に広い視野を持って他部門との連絡調整をしたり、より長いスパンでプロダクト管理をする必要があります。
適切な工程管理、パフォーマンス管理によって生産計画を達成し、目標管理などを通じて課員の育成を図るなど、職務の”質”が随分変わります。
業務改善や品質活動に於いても高い企画立案能力を発揮することが求められ、コストダウンや原価管理を通じて一定の経営感覚も身に付けていかなければなりません。
もちろん専門的な知識や技術も必要であると共に、社内外で信頼を損なわないような人間性も磨かなければなりませんね。
企業理念の実践や会社の全体目標、部門目標達成に向けて、責任と権限を持って強力なリーダーシップを発揮する必要があります。
会社からの要求事項も、より高いものとなるので大変です…
でも「出来得る」と信を得て任命されている方々ですから、きっと大丈夫ですよ!
私の大好きなイチローさんも「壁というのはできる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから壁がある時はチャンスだと思っている。」と言っています。
そしてバスケットボールの神様、マイケル ジョーダンさんは「何かが障害として立ちはだかっているように感じても、実際には何もない。ただベストを尽くすチャンスと、成功を収められる可能性があるだけだ。」という言葉を残しています。
おそらくその”壁”は、目の前にそびえ立つ障壁というより、まるで階段の様な、成長するためのステップなのでしょう。
だから一つ上のステージに達した時、振り返ってもそこにあったのは壁なんかじゃなかったんだと感じられるのだと思います。
チームや課などの組織を牽引するリーダー達に持っていて欲しい資質や考え方があります。
これがすべてではないですが、敢えていくつか挙げてみたいと思います。
自責で考える
「他責」つまり「人のせい」と考えるのではなく、「自責」として問題を捉えることはとても重要な要素です。
私は仕事柄いろいろな人に会う機会があります。
中には何かの不都合や不具合が発生して、お詫びされるような時もあります。
そんな中で時々、部下のミスや不出来をあげつらって非難に終始し、個の責任で済まそうとする方がいます。
でもそれで良いのでしょうか…?
私には、自ら手を挙げて「私は管理能力の無い、無能な管理者です!!」と言っている様に見えて、滑稽でしかありません…
会社に対する不平不満や、悪口ばかりを言う人の話も聞くに堪えませんね…
結局「人のせい」にしているだけなんです。
「自責」で考えられないので、そういう人に限って実際自分では何もしないものです。
変えようと努力を尽くし、それでダメなら辞めれば良いだけじゃないんでしょうか…
率先垂範
「率先垂範」は私の座右の銘でもあります。
やって見せ、説いて聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず
山本五十六
これを書けば、これ以上説明することもありませんね…
以前、ある取引先の当社担当の営業マンが、当社向けの仕事で大きなミスをしました。
上司の方が飛んで来て、「この問題終息までは、私の方で担当させて頂きます!」とのこと。
一見「やってみせ…」を実践しているようですが、私は少し違和感を覚えたんです。
個のせいにして蓋をしてしまう様に感じたからです。
社内でもたまに話しますが、私は「ミスは成長の機会」だと考えています。
ミスと向き合って再発させない様に取り組んだり、リカバリーの仕方を学ぶ重要な機会。
上司自ら、その担当者の成長の機会を奪ってしまっているんですよね…
案の定その担当営業マンは、その後も同じ様なミスを何度も繰り返しています…
率先垂範は上の1行目だけがフォーカスされることが多いですが、2,3行目こそ本当に大事なことなのかも知れません…。
万難を排して挑む姿勢
リーダーにはその職位に応じた権限が付与され、同時に責任も負うことになります。
だから「逃げの姿勢」では務まるわけがないんです。
もちろん事前にいろんなことを想定して、様々な選択肢、逃げ道を準備することはリスクマネジメント上必要です。
でもリーダーには、与えられた権限に応じてジャッジしなければならない場面があります。
そんな時「俺がやる!」「俺が責任を取る!!」という”気概”みたいなものってありますよね…?
「上に聞いてみないと…」なんて言っていては、私からすれば”責任回避”としか受け取れません。
「報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)」なんて言いますが、それは「与えられた職務をこなす」段階で必要なことです。
自らの権限でジャッジし、その判断に対して全責任を負う覚悟が必要なんです。
同時にそうしなければ、ビジネス上で最も重要な要素の一つの「スピード感」も失われてしまいます。
スピード感という部分で言えば、寧ろリーダーは部下からの 「報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)」 を待つのではなく、「必要な情報は自ら得に行く」くらいで良いんだと思っています。
書き出すとキリが無いので、今回はこの辺にしておきます。
社員のみんなからしたら「自分も出来てねぇじゃん…」なんて言われそうですし…
”こうあって欲しい”っていうのはありますが、それが100%の『正答』でもないんですから。
だからこの春から新職に当たる方も、自分らしさやカラーをどんどん出していってください!
楽しんで一緒に成長していきましょう!!
皆さんなりの、目指す「リーダー像」であっていいんです。
その方がきっと沖壱らしいですしね?
私自身も私なりの「社長像」に向かって、頑張っていきたいと思います!